エルム

2022年9月24日

フラワーエッセンス・エルム

エルムはどんなときに使える?

エルム(ヨーロッパニレ)の
フラワーエッセンスは、
エドワード・バッチの
3つのグループの体系のなかでは
セカンド・ナインティーンの1つです。

セカンド・ナインティーンのグループは、
エドワード・バッチが亡くなる前年の
1935年につくられた
19のフラワーエッセンスで構成され、
日常のなかで経験する様々な感情や
心理状態を乗り越えていくための
助けという位置づけです。

エドワード・バッチは
エルムのフラワーエッセンスを
必要とする人の典型的なタイプについて
「立派な仕事をこなしている人で、
人生の呼び声に従い、
何か大切なことをしたいと
望んでいます。
しかもその行いのほとんどは
人類の利益のためです。
しかし、時折、自分の担った責務が
あまりに難しく、
人間の力では及ばないかのように感じられ、
落ち込んでしまうことがあります」
と説明しています。

私たちがエルムの
フラワーエッセンスを必要とするのは、
背負っているものの重荷に
圧倒されて
自分の能力に自信を無くし
落ち込んでしまうようなとき
です。

エルムのフラワーエッセンスは
「落胆、失望」のカテゴリーに
分類されていますから、
ただ自分の能力に
自信が持てないというだけでなく、
自分自身に失望し、
情けなくなり、
消耗してしまうパターンがあるときに
助けになります。

フラワーエッセンス・エルムと共鳴する心

【経験しやすいパターン】
・自分の役割や仕事の重荷に圧倒され、役割や仕事をやり遂げることができないのではないかと自信を失う。

【目覚めようとしている性質】
・責任をもって仕事を成し遂げる自信。自分の能力を信頼できる。

日常生活で使う

・あまりに多くの責任に圧倒され、一時的に仕事をやり遂げられない感じがするときに。

・大きな責任を担う仕事や難しい仕事に携わっている人に。

・エルムは注意力を現在の瞬間に維持しておくのを助けます。

・動物が移動の過酷さに圧倒されるときに。猫を車に乗せて移動するときや、動物を飛行機に乗せて移動するときなど。

エルムが助けになるタイプと植物としてのエルムのジェスチャーの関係

ヒーリングハーブスのJ.バーナード氏は
エルムの木を初めて見た時の印象を
「エルムを初めて見た時
印象に残るのは、
どっしりとした大きな柱のような姿です
(proceraは背が高いことを意味しています)。
この巨大な柱のような幹は、
成長すると30m以上の
高さになることが多く、
幹周りはおよそ5mになります」と
『バッチのフラワーレメディ
植物のかたちとはたらき』
のなかで語っています。

僕が初めてエルムを見たのは
12月の小石川植物園でした。
幹の周囲を計るとど5mありました。

葉を落としていて
樹形全体の形がよくわかり、
その立派な幹の存在感と同時に、
幹とは対照的に
先端にいくにつれて
どんどん分岐する枝の細やかさが
際立っていて、
幹と枝のコントラストが
とても印象的でした。

木全体の印象は、
花が咲くとまったく変わります。

小石川植物園のエルムの開花は
3月10日前後だと思います。

1月や2月の冬の青い空を背景に立つ
エルムの姿は堂々として美しいのですが、
花が咲くとその堂々とした感じに
温度が加わるような、
柔らかさが加わるような感じがあります。

FESの『フラワーエッセンスレパートリー』
のエルムの解説に
「自己を『英雄』や『救世主』の役割に
当てはめて見ることを止め」
という記述があるように、
エルムタイプは
利他的な志を達成しようとして、
そのときに期待される
普遍的な理想像と
個人的な資質との間で
葛藤する傾向があるかもしれません。

私たちが、
なんとか人の力になりたいと思う時、
心の深いところで
「救い手/救いを求める人」の
アーキタイプが活性化するわけですが、
そのときに期待される
普遍的な理想像を
個人的な資質と区別できずに
背負ってしまうと、
普遍的な理想像と個人の能力との間で
苦闘することになるかもしれません。

エルムのフラワーエッセンスは、
等身大の自分の希望や熱意や自由さと
つながる信頼感によって
仕事や役割を成し遂げることを
教えてくれるように思います。

植物としてのエルム

エルムはニレ科ニレ属の落葉樹で、高さ30m以上にもなる高木です。たくさんの枝を放射状に広げ、葉は互生します。葉の根元に近い部分は左右対象ではありません。花は小さな赤褐色の両性花で、花粉は風で運ばれます。2~3月頃葉が出る前に花を咲かせます。

果実は平べったい翼果(よくか)です。翼果とは果皮の一部が翼状になったもので、熟すと風に乗って飛んでいきます。イギリスのエルムは1960~70年代にニレキクイムシによるオランダエルム病(ニレ立ち枯れ病)にかかり数が激減しました。

ニレ属の木は神話の中で重要な役割を果たします。ギリシャ神話では、エルムは眠りの神モルフェウスの木で、その枝にはもろもろの夢が宿っているとされ、その木の下で眠る者に奇怪な夢や恐怖をもたらします。北欧神話では、セイヨウトネリコ(ash)から最初の人間の男(Askr)が生まれ、エルムから最初の人間の女(Embla)が生まれたとされています。興味深いのは、アイヌ神話でも、神の子でありながら人間のように暮らす「アイヌラックル」は雷神カンナカムイと春楡(ハルニレ)の木の精霊チキサニ姫との間に生まれたとされています。

日本に自生するニレ属は3種で、ハルニレ、アキニレ、オヒョウです。

フラワーエッセンス エルムがつくられる樹木=ヨーロッパニレ(エルム)の観察

2月初めのエルム(ヨーロッパニレ)

2月の晴れ渡った空を背景に立つエルムの姿は素晴らしいです。ずっと見上げていたくなるような心地よさを感じました。光に照らされる枝は、白、あるいはシルバーの輝きのある存在感で、風に揺れていました。よく見ると枝先の冬芽はすでに膨らんでいます。

エルム

エルム(ヨーロッパニレ)の開花

昨日(2015年3月8日)は東京・小石川植物園で「エルムと友達になる」観察会を行いました。あいにく小雨の降る中での観察会となりましたが、「あいにく」は観察する人間側の都合で、エルムにとっては晴れの日の陽射しと同じように、恵みの雨だったのだと思います。

開花したエルムの木
エルムの花

エルム(ヨーロッパニレ)の翼果(*1)

エルムのフラワーエッセンスは、自分の役割や仕事をやり遂げることができないんじゃないか、自分には無理なんじゃないかと、プレッシャーを感じて自分の能力を疑ったり、自信を失って消耗してしまったときに、再び自分への軽やかな信頼を取り戻すのを助けます。

樹木としてのエルムは、幹の堂々として印象に比べて枝先に向かうにつれて細かく枝分かれしているのが特徴の一つです。そのためか木全体からしなやかな力強さと同時に細やかな印象を受けます。

細やかさは、繊細であるがゆえに責任の重さに圧倒される植物のジェスチャーとしても、役割や仕事を成し遂げるための、隅々までエネルギーの行き届いた自信のジェスチャーとしても見ることができます。

エルムの翼果
エルム(ヨーロッパニレ)の翼果がたくさん地面に落ちています。
エルムの翼果
エルムの翼果

——

*1 翼果(よくか):果皮の一部が平らな翼状に発達した果実

※以下はエルム/ヨーロッパニレ(Ulmus procera)の動画です。(小石川植物園)

引用・参考文献

*1:ジュリアン・バーナード、マーティーン・バーナード 『Dr.バッチのヒーリング・ハーブス』 スミス・マキコ訳 BABジャパン 2003, p.66

*2:ジュリアン・バーバード 『バッチのフラワーレメディ植物のかたちとはたらき』 谷口みよ子訳 英国フラワーレメディ・プログラム 2013, p.186

*3:パトリシア・カミンスキ/リチャード・キャッツ 『フラワーエッセンスレパートリー』 王由衣訳 BABジャパン 2001

・園芸植物大辞典 3 小学館, 1989

・金田一京助 『金田一京助全集 第11巻』三省堂、1993

・ジュリアン・バーバード/マーティーン・バーナード 『Dr バッチのヒーリングハーブス』スミス マキコ訳、BABジャパン、2003

・Edward Bach, The Twelve Healers and other remedies, CW Daniel Company, 1936

・Jessica Bear, Practical Uses and Applications of the Bach Flower Emotional Remedies, Balancing Essentials Press, 1990

Posted by daisuke takahara