マスタード

2023年10月22日

マスタード

フラワーエッセンス・マスタード

エドワード・バッチマスタード
現在の状況に十分関心を払えない
というカテゴリーに分類しています。
今起こっている現実に
十分意識を向けることができない
という状態のときに助けになる
フラワーエッセンスということですね。

では、マスタードのフラワーエッセンスが
助けになる場合は、どのような心の状態でしょうか。

それは、理由もなく心が重くなって意欲がわかなかったり、
暗雲がたれ込めるような暗く絶望的な気分に
心が支配されてしまうような状態
です。
考えただけでも重苦しい気分になりますね。

そのような心に、マスタードは
落ち着きと生きる喜びを思い出させてくれます

それはちょうど、マスタードの花の群生が
冬から春へと移りつつある季節の
まだ冷たい空気の中で
あたり一面を黄色の光で覆い、
春を迎える生命の喜びで満たす光景と重なります。

FESはマスタードについて

黄色のマスタードの花には、明晰な精神エネルギーとつながり、憂鬱の原因や意味を理解できるように促す力があります

P.カミンスキーとR.キャッツ『フラワーエッセンス・レパートリー』

と解説しています。

理由もなく心が重くなって意欲がわかなかったり、
暗雲がたれ込めるような暗く絶望的な気分に
心が支配されてしまうのは、
まったく理由がないわけでなく、
無意識下の「心のしこり」のようなものが
関係している可能性があるということです。

もちろん、普段は意識されることがないので、
絶望的な気分になる理由が
思い当たらないということになります。

日常で起こった何かをきっかけに、
その「心のしこり」が刺激され、
過去に感じた感覚や体感だけがよみがえって
暗く絶望的な気分になるということが
起こっていると考えられます。

しかし、マスタードのフラワーエッセンスには、
その理由や意味を理解できるように
促してくれる力があります。

このことは、マスタードの種子が暗い地中で
十年以上も発芽能力を維持することがあり、
自然の営みや人工的な耕作によって
地表近くに持ち上げられると
発芽し花を咲かせるという
マスタードの特徴を想起させます。

フラワーエッセンス・マスタードと共鳴する心

【マスタードが助けになる人の経験しやすい傾向やパターン】
・理由もなく暗雲がたれ込めてくるような暗い憂鬱な気分におそわれ落胆する。

【パターンのなかに内在されている目覚めようとしている性質】
・感情的な落ち着きと生きる喜び。

日常生活で使う

・陰鬱な気分でふさぎこんでいるとき。

・PMSやホルモンバランスの乱れからくるうつ状態に。

・動きたくないほど気分が重いとき。

・雨の続く時期や冬の時期に太陽の光にあたらないと落ち込むとき。

・部屋の雰囲気が陰鬱なとき、マスタードのミストスプレーを。

・出口のないトンネルに入ったように感じて光が見えないとき。

植物としてのマスタードの特徴

アブラナ科シロガラシ属 学名:Sinapis arvensis

マスタード(ノハラガラシ)は地中海沿岸を原産とするアブラナ科シロガラシ属の一年草です。茎は直立して高さ40~80cmくらいになり、群生します。

属名のSinapisはギリシア語で「カラシ」を意味するsinapiに由来し、arvensisは「畑、あるいは耕作した土地の」という意味のラテン語に由来します。

春から初夏に倒卵形の4枚の花弁をもつ黄色い花をつけます。アブラナ科の花の花弁は4枚で十字状で、十字架を連想させることから昔は十字花科(Cruciferae)とも呼ばれていました。

アブラナ科の植物の多くは秋に芽生え、冬はロゼット(*1)で過ごし、春に開花するというサイクルをもっています。地面が硬くやせた土地、海岸地域のアルカリ性で塩分のあるような土地、気候の厳しいあまり日当たりのよくない地域などに生えるパイオニア植物(*2)です。

果実は長さ2~5cm、幅2~4mmで、7~16個ほどの種子がはいっています。種子は暗褐色の球形で直径1~1.5mm程度です。

新約聖書の中でイエスは神の国をカラシ種にたとえています。「土に蒔くときには、地上のどんな種よりも小さいが、蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほどの大きな枝を張る」(マルコ4:30~32)

ここで紹介されているカラシは植物の大きさからクロガラシとする説が有力ですが、イスラエルではシロガラシやノハラガラシの方がクロガラシよりもよく見られるようです。どちらにしろ、小さな種子が急速に成長し群生するカラシのジェスチャーがたとえに用いられています。

マスタードの種は種子銀行と呼ばれ、十年以上も地中に眠っていても発芽力を持ち続けることがあります。畑が耕されたりして地面が掘り起こされると、いっせいに芽吹き、他の植物を圧倒して地面を覆いつくすように群生します。

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*1:ロゼットはバラの花の形を意味する言葉で、地上茎がないか極端に短く、葉が放射状に直接地中から出ている状態。冬の間は寒さに耐えるように地表に張り付き、広く葉を広げて光を最大限に受け取ることができる。タンポポなど。

*2:パイオニア植物:自然災害(台風、山火事など)や人為的な活動によって、荒地となったり、裸地(らち)となったところに真っ先に出現する植物。

体験談や関連する記事

参考文献

・J. アディソン『花を愉しむ事典』樋口康夫、生田省悟訳、八坂書房、2002

・廣部千恵子『新聖書植物図鑑』教文館、1999

・『日本の帰化植物』平凡社、2003

・長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976

・ジュリアン・バーバード/マーティーン・バーナード 『Dr バッチのヒーリングハーブス』スミス マキコ訳、BABジャパン、2003

・Edward Bach, The Twelve Healers and other remedies, CW Daniel Company, 1936

・Jessica Bear, Practical Uses and Applications of the Bach Flower Emotional Remedies, Balancing Essentials Press, 1990

Posted by takahara.daisuke