「アルケミー」・・・アーキタイプとしてのフラワーエッセンス(2)

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そもそも「アーキタイプ」ってことを言い出したのは、スイスの精神科医で分析心理学を創始したC. G. ユングです。彼は1875年に生まれて1961年に亡くなっています。ということは・・・バッチ先生(1886-1936)と同じ時代を生きた人ですね。バッチ先生がユングの影響を受けたかどうかはわかりませんが、この二人には共通点があります。それは二人ともアルケミーの教えの影響を色濃く受けていると思われる点です。

アルケミーは古代エジプトを起源とする伝統的な教えで、「天にあるがごとく地にもあり」という言葉で知られています。宇宙の秩序は自然界にも人間の内にも浸透していて、人間を宇宙の縮図、小宇宙とする深遠な体系です。

フラワーエッセンスの前提となっているのは、外側の自然(植物)と内側の自然(こころ)が呼応し合うということと、対立するものが一つになって変容が起こるということだと思いますが、これらはどちらもアルケミーの教えに則しています。フラワーエッセンスはアルケミーの背景があってはじめて生まれたとも言えると思います。

 

次の文章はFESの『フラワーエッセンス・レパートリー』の中で、フラワーエッセンスの作用原理が、ホメオパシーとも従来の医学の薬とも違うことをミムルスを例にして述べられている箇所です。

 例えばミムルスのエッセンスは「日常的な恐れ」に対応する。これはこのような恐れを感じない健康な人が大量にとっても、ホメオパシーの類似の法則で予想されるように恐れを生み出すということはない。また相反的に働く精神安定剤のように恐れを埋めてしまうわけでもない。ミムルスのエッセンスを服用すると、自分の恐れについて非常に敏感に、意識的に感じ始めることはある。この恐れは、自分の内に存在していながらこれまで意識にのぼっていなかったものであることもある。ミムルスはこの恐れに直面するように励まし、このようなチャレンジに立ち向かうのに魂が必要とする強さを目覚めさせてくれる。したがってミムルスは「恐れと勇気」の極性に基づいて働き、魂がより高いレベルの統合に到るのを可能にするといえる。恐れを取り除くのではなく、恐れに直面する勇気を持つのを助けるのだ。こう理解すると、フラワーエッセンス療法は、対極にあるものがより高い総合の状態に統合される、アルケミーの「対極の統一」法則に当てはまる。(*1)

これを普通の言葉でいうと、私たちが意識しているのは「恐れ」だけれども、こころのもっと深いところには「恐れ/勇気」の全体があって、「勇気」はこころの中のまだ無意識の暗い大地の中に眠っている。

ミムルスは、「恐れ」を取り除いたり、「勇気」を外から付け加えたりするのではなくて、「恐れ」があるところには本来「勇気」の種子があって、それらは両方で全体だということを思い出させてくれる。そして全体になれば種子は力と自由を増して光の方へ向かって伸びる。それは命が本来もっている性質だから。それによって、私たちのこころの中に眠っていた「勇気」が本人の意識に芽吹いて成長し始める。ということだと思います。

 

ジュリアン・バーナード氏が編集された『エドワード・バッチ著作集』を読むと、1932年に書かれた『汝自身を解放せよ』では「各々のハーブがそれぞれ、 人間の特質である長所に対応しています。そして、人をつまずかせる欠点を乗り越えられるよう、ハーブは長所の力を強めるために働きます」(*2)とあり、それぞれ のハーブ(フラワーレメディ)に対応する長所と欠点がリストアップされ、ミムルスは「恐れ/思いやり」というようにミムルスの二つの極について表現されています。

バッチ先生は最終的には、ミムルスの「恐れ」をフラワーレメ ディを選ぶための簡潔な解説のなかで、どのような「恐れ」なのかを説明していますが、レメディを服用することで得られる性質については触れていません。

そこがバッチ先生のすごいところだと思うです。それは無意識とか、対極の統一とかを持ち出して、話をややこしくするより、一人でも多くの人が使うことのできるシンプルなものにすること。そして、アルケミーの匂いをさせることで歪んだ投影がフラワーエッセンスに投げかけられ、私たちの手に届かなくなることを避けること。その二つの理由があったから、バッチ先生は私たちが受け取った形でフラワーエッセンスを残していってくれたんじゃないかと思います。

 

それに応えるために僕らがやるべきことは何かってことを、フラワーエッセンスを愛するすべての人と一緒に考えていけたらと思います。

 

*1:パトリシア・カミンスキ、リチャード・キャッツ 『フラワーエッセンス・レパートリー』 王由衣訳、BABジャパン、2001、54p
*2:エドワードバッチ著、ジュリアンバーナード編 谷口みよ子訳 『エドワード・バッチ著作集』 BABジャパン 2008 144p

レイディズマントル

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