傷を負った癒し手 – 4 (ところでアーキタイプって?)

(「傷を負った癒し手 – 3 (2つの極をもつアーキタイプ)」からの続き)

助けを求める人と、その人のために助力する人の出会いとその後の関係は、「傷を負った癒し手」のアーキタイプ、言い換えると「傷を負った者ー癒し手」という2つの極をもつアーキタイプの影響を受けることになる。

 

アーキタイプ(元型)は、われわれの心の深い層に生れながらに備わっている行動の様式のようなもので、それは個人を超えて共有されている。大雑把に言ってしまうと、人類共通ということだ。

言い換えると、それが強くはたらくような状況では、われわれは自分の心の深いところに備わっている基本的な行動の型のようなものに従って感じたり、振舞ったりしている。

 

そして、その型はすべての人が共有する同じものなのだ。もちろん、個人個人の感じ方や振舞いがどのように表現されるかはいろいろバリエーションはあるかもしれないが、元になっている行動の様式の型は同じだ。

映画や小説やアニメが世界的にヒットしたりするのも、人々が心の深いところで共有しているもの、つまりアーキタイプに深くかかわっている。

 

たとえば、「母親と子ども」という関係では、「母親ー子ども」アーキタイプが両者の心の深いところで活性化されることになる。それによって母親は、誰かにやり方を教えられてではなく、本来自分の心の深いところにあるそのような行動の様式の型によって、母性的な気持ちを感じたり、母親的な振舞いをすることのできる可能性を生まれながらにもっている。

 

そのような行動を生み出す元になる機能がアーキタイプだといわれている。それは学習によって獲得するのではなくて、生まれたときから備わっている。「母親ー子ども」という関係だけではなくて、「父親ー子ども」という関係もそうだし、「男性ー女性」という関係でも、そこで活性化するアーキタイプがあると考えられる。

そして、助けを求める人とその人のために助力する人の関係、治療者や援助者とそれを求める人との関係の中で活性化するアーキタイプは、「傷を負った癒し手」のアーキタイプ、「傷を負った者ー癒し手」元型だ。われわれがどちらの側になるかには関係なく、心の深いところで「傷を負った癒し手」のアーキタイプが活性化される。

(つづく)

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