眠っている種子が目覚めるとき

2022年9月1日

誰の中にも心の奥にずっと大切にしてきた領域があって、

その領域を通して他の人とつながることができたとき、僕らは、

ああ、自分は自分のままでいいんだ、

自分でいることは嬉しいことなんだ、

と実感できるんじゃないかと思います。

それは、いわば人の心の中に眠っている「種子」のようなものかもしれません。

眠っている種子に触れてみただけでは、

それがどんな植物に育つのか、

どんな花を咲かせるのかを予測するのは難しいでしょう。

けれども、植物の種子がそうであるように、

僕らの心の中の種子も、芽吹くための力や術はすべて自分の中にもっていると思うのです。

植物の種子がもっているのと同じ自然の力として。

ドングリは生まれた木から何千キロも離れたところに運ばれ、誰に教えてもらわなくても、完璧なオークの木になるすべを知っている。(Dr. Edward Bach)*1

光や水が得られる大地に運ばれて、

やがて季節が巡ってくれば、

植物の種子は自分の中の自然の力で芽吹くように、

私たちの心の中の種子も、

光や水が得られる場があって、

やがてふさわしい季節が巡ってくれば、

内にもっている自然の力によって芽吹くのだと思います。

僕らの心の中の種子が

どんな姿に成長して、

どんな花をさかせるかを知る唯一の方法は、

他の誰かではない自分自身が

最初は手探りかもしれませんが、

少しずつでもその種子を

現に生きてみることだと思います。

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*1:エドワード・バッチ ジュリアン・バーナード編集、谷口みよ子訳 『エドワード・バッチ著作集―フラワーレメディーの真髄を探る (←Amazonへのリンク)』 BABジャパン 2008 50p