インナーチャイルドとは

「インナーチャイルド」とは?

生きづらさや人間関係の困難さを感じている方の中には「インナーチャイルドを癒したい」と思って取り組まれている方が少なくないと思います。フラワーエッセンスのなかにも「インナーチャイルド」に関連するものがたくさんあります。

もちろん、「インナーチャイルド」だけが生きづらさや困難さに取り組む方法ではありません。どのような療法や取り組みがそのような困難さを生きる意味へと変えてくれるかは、一人ひとりが自分に合ったものを選ぶのが大事だと思います。

この記事で「インナーチャイルド」を取り上げたのは、ネットにあふれている様々な情報によって余計に混乱してしまう方がいらっしゃるのではないかと考えたからです。そうだとしたら、微力かもしれませんが絡まった糸を少しでもほどくことができればと思います。

僕はフラワーエッセンスを個人セッションや講座の形で提供し始めて約20年になります。その過程で学んできたことや、経験してきたことをもとに、「インナーチャイルドとは?」という問いに答えてみたいと思います。

この記事の要点

◆「インナーチャイルド」とはそもそも何なのか。

・「インナーチャイルド」は使う人によって指し示すものにかなり幅がある。

・多くの場合共通するのは、心の中のイメージで、幼少期や思春期に両親や親しい家族などとの間で経験した傷つきを抱えている子どもという捉え方。

◆「インナーチャイルド」を癒すことは何をどうすること?

・心の奥にしまわれている整理されないままの感情や、それにまつわる記憶など受け入れ難かった現実や自分自身に触れて少しずつ受け入れていく過程。もう一方で、自分や世界について気づいたことを行動に移すことで自分は自分のままで大丈夫という体験を少しずつ積み重ねていくこと。

1.インナーチャイルドの取り組みについて思うこと

インナーチャイルドの取り組みについて

結論から言ってしまうと、インナーチャイルドに取り組むことには確かに大きな意味と価値があります。一方でその過程は心の痛み(もちろん、喜びも)に触れる過程でもあります。取り組みの過程で通り抜けなければならない厳しい季節があることも事実です。

1-1.インナーチャイルドに取り組むことの意味

インナーチャイルドに取り組むことによって、生きづらさや困難さと感じていた自分の性格やこれまで生きてきた人生が別の新たな意味をもってくることが起こります。

生きづらさや困難さが一朝一夕にまったく別のものに変わったり、消えてなくなるようなことはないにしても、それらを自分の能力や可能性や希望として見る目をもつことができるようになることは本当にうれしいことです。

自分の人生には意味があると思えること。自分は自分でいいんだと思えること。もし私たちに「たましい」と呼べるようなものがあるとしたら、それはたましいにとって本当に喜びであり安らぎです。

1-2.インナーチャイルドに取り組む過程で経験する痛み

一方でインナーチャイルドに取り組むことは、悩みや困難さをテクニックで解消したり、原因を探し出してコントロールすることで解決するようなものではないと思います。

わざわざこんなことを書くのは、読んでくださっている方を失望させたいからではなくて、まったくその逆で、本当の意味で希望をもっていただきたいからです。

もし、インナーチャイルドに取り組むことで、今感じている生きづらさや困難さが簡単にとは言わないまでも、魔法のように消えてなくなるようなイメージだとしたら、消えてなくなるというよりは別の意味をもってくると考えた方がいいと思います。もちろん、意識の比較的表層部分にあった呪縛が解けることで、それまで抱えてきたいくらかの荷物を下すことができたとき、消えたように感じるかもしれません。けれども、消えてなくなるというよりは、それまでの自分の抱えてきたものが別の意味をもってくるという方が近いと思います。

1-3.意識的な努力と無意識の領域に取り組むこと

心の深い領域に取り組まなくても、意識的な努力や意志の力や環境を変えることで、変化を生み出すことができる場合もあります。その場合は意識的な努力で解決していくのがよいと思います。

けれども、そうした方法ではどうしても解決できないとき、インナーチャイルドに取り組むことを考えてみるタイミングかもしれません。人生の中にそういうタイミングがあると思います。そのタイミングの感覚を大事にしていただきたいと思います。

また、心にかかわる療法や方法はそれぞれに相性などもあると思います。科学の理論を当てはめるように誰にでも同じように適用して結果が得られるというものではありません。自分に合った療法や方法を見つけることが大事です。

2.インナーチャイルドとは?

インナーチャイルドとは?

 

「インナーチャイルド」という概念は、使う人によって指し示すものにかなり幅があるというのが事実だと思います。まず、そのあたりのことを整理しておくことは、自分が何に取り組もうとしているのかを理解するために大事です。

2-1.使う人によって指し示すものにかなり幅がある

「インナーチャイルド」という言葉でネット検索してみると使う人によってかなり幅があるようです。

・潜在意識の中の子ども時代の自分

・幼少期の性格パターン

・心の中の純粋な存在

・子ども時代の記憶や心情

・傷ついた子どもの頃の自分

・アダルトチルドレンの心の中にいる傷ついた子ども

・過去に学んだ防衛パターン

・内面の本当の自分の象徴

・子どものころに追った心のトラウマ

この中で、「心の中の純粋な存在」と「内面の本当の自分の象徴」以外は、「心の中の傷ついた子ども」のイメージそのものという感じです。「心の中の純粋な存在」には「心の中の純真な子ども」のイメージも含まれるでしょう。

2-2.トラウマ(外傷経験)を核にしてつくられる「コンプレックス」

これらに共通しているのは、トラウマ(外傷経験)を核にしてつくられる「コンプレックス」の一面を象徴する子どもの人格イメージと捉えられると思います。

私たちは日常会話の中でも「コンプレックス」という言葉を使いますが、最初に使ったのはC. G. ユングでした。私たちはこの言葉を「劣等感」的な意味合いで使いますが、もともとは「何らかの感情によって色付けされた心的内容の集まり」という意味です。コンプレックスについては別の記事で触れたいと思います。

2-3.インナーチャイルドの物語

インナーチャイルドの物語

 

インナーチャイルドとコンプレックスの関係については別の記事に譲るとして、インナーチャイルドのイメージを物語的に展開すると、次のような感じになると思います。

私たちは皆、人格形成の過程で心に収めきれない現実に出会ます。そして「傷つく」経験をします。ショックな出来事だったり、悲しい出来事だったり、悔しい出来事だったり、時にはフリーズしてしまうような出来事だったり…、とにかくそのときの子どもの自分の心には収めきれない経験です。

出来事が「傷つく」経験になるかどうかは、外側から見た事の重大さだけではなく、私たちがもって生まれた資質や個性との相互作用です。だからこそ傷の在りかは宝物の在りかにつながるのですが、それにはここでは触れずにおきます。

心に収めきれないことを抱えて何とか前に進むために、子どもだった私たち、あるいは思春期を通り抜けようとする私たちにできる最大のことは、それについて思い出したり、感じたり、考えたりしなくて済むように、普段は開けることのない心の奥の暗い部屋に、ごちゃごちゃのまま押し込んで扉を閉めておくことです。

そうやって、心に収めきれないものから「避難」することは、私たちの心と体の知恵です。自分が壊れてしまわないように自分を守るための知恵です。私たちはそうやって何とか超えてきたわけです。

そして時間が経つと心の奥の部屋のことはほとんど忘れてしまいます。もちろん、覚えている部分もありますが、とくに核心のところは忘れてしまいます。

2-4.インナーチャイルドが今の自分にどのように影響を与えるか

ほどんど忘れるけれども、どこか似たような状況が起こると、心の奥の部屋の中にあるものが勝手に反応します。危険な状況を避けて自分を安全に保つために、その状況は危険かもしれないと「独特の嫌な感じや感情の揺れ」で教えてくれるようになります。

それが起こると私たちは警戒態勢に入り、「またか!」と思いながらいつもの方法でそれを切り抜けます。そして、もしうまく切り抜けられず、同じような傷つきを経験したときには、その出来事も「独特の嫌な感じや感情の揺れ」でつながった出来事として心の奥の部屋にしまわれます。

このように、子どもだったり、思春期だった私たちが自分を守るために生み出した「心の奥の部屋・作戦」はある程度当初の目的を果たしてくれます。

けれどもここで一つ不都合が発生します。「独特の嫌な感じや感情の揺れ」につながるような出来事があると、心の奥の部屋の中にあるものが勝手に反応してしまい、冷静でいられません。イライラしたり、感情的になったり、落ち込んだりという状態が自分の意志に反して経験されてしまいます。

日常でこのようなことを経験するとき、私たちは、目の前で起こっていることに反応していると思いながら、実は心の奥の部屋(それを人格的なイメージとして「インナーチャイルド」と呼んでもいいと思うのですが)が反応して、心の奥の部屋から見た世界を現実に重ねて経験していることがあります。

これまで何度も感じてきた感覚や整理されないままの入り混じった感情、そのときに抱いた自分自身への気持ちや、そのとき世界がどんなふうに経験されたかといったことが重なって経験されます。自分では、目の前の出来事に対して感じていると思いながら、心の奥の部屋の整理されないままの感覚や感情や思考などを経験している、ということが起こります。

インナーチャイルドのイメージを物語的に展開してみるとこのような感じになると思います。

3.「インナーチャイルド」を癒すことは何をどうすること?

このように考えると、私たちの個人的な過去の生育環境がインナーチャイルドを生み出しているような印象を受けます。もちろんそれが非常に大きな要素なのですが、生まれもった資質や個性と生育環境の相互作用によるもの、さらには個人を超える社会的な要素も関連していると思います。

インナーチャイルドの取り組みは、過去のつらかった経験を違うものに書き換えようとすることではなく、心に収めきれなかったものを収めきれなかったと認め、受け入れ難かったものを受け入れていく過程です。切り離してきた自分自身との再会の過程です。

その過程で自分では忘れていまっていた様々な感情や考えを体験します。そのようにして、次第に心の奥の部屋に押し込まれていたごちゃごちゃのままだったものが、少しずつほどけて整理され、散り散りになっていた自分がつながっていく過程です。これが取り組みの半分だと思います。

もう半分は、自分や世界について気づいたことを現実の世界で行動し確かめていくことです。少しずつチャレンジして心の奥の部屋から見た世界ではなく、現に世界に触れ、人の心に触れて、実際にどうなのかを自分で確かめていく作業です。そのチャレンジによって実際に自分は自分のままで大丈夫なんだという体験を積み重ねていくこと。この両方の取り組みが大事だと思います。

4.まとめ

インナーチャイルドは使う人によって指し示すものにかなり幅がありますが、多くの場合共通するのは、心の中のイメージで、幼少期や思春期に両親や親しい家族などとの間で経験した傷つきを抱えている子どもという捉え方です。

インナーチャイルドを傷つきを抱えたままの子どもだとすると、彼/彼女が生まれるのは、自分(のたましい)にって本当に大切なものを守るためです。何とかそれを守って厳しい季節を超えていくためです。インナーチャイルドが今の自分に影響を与えるのは、私たち自身は目の前の出来事に反応していると思いながら、彼/彼女が経験した「世界ってこんなところ」を重ねて経験するということが知らず知らずに起こっているからです。

取り組みの半分は、過去に心に収めきれなかったものを収めきれなかったと認め、受け入れ難かったものを認めて受け入れていく過程です。もう半分は、そうして気づいたことを行動に変えて実際に自分は自分のままで大丈夫なんだという体験を少しずつ積み重ねていくことです。この両方の取り組みが大事だと思います。

インナーチャイルドに向き合うことは、自分から切り離してきた感情や考えに再び触れていくことで、それはなんとか超えてきた厳しい季節に自分から足を踏みいれることですが、それによって、彼/彼女が実は自分を守ってくれていたことを理解していくと、これまで感じてきた生きづらさや困難さは別の意味を持ち始めます。

たましいというものがあるとしたら、たましいの側からみた物語が自分の人生をつないでいると体験を通して知ることは、自分の人生には意味があり。自分は自分でいいんだと腹から思えること。それは私たちにとってしんからの喜びです。

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