ヒガンバナの時間2・・・花が終わると
『影との戦い ゲド戦記1』の中で大魔術師オジオンが、植物が「四季の移り変わりにつれて、どう変わるか」を心得て、一目見ただけで、においをかいだだけで、種を見ただけで分かるようになることが、その真(まこと)名を、そのまるごとの存在を知ることだと言っていることを、以前に紹介しました。
先日「ヒガンバナの時間」で紹介したヒガンバナですが、花の終わった後の姿を観察したことはありますか。ヒガンバナは通常種子ができないか、できても種子で増えることができません。(*1)
花が終わると、地面から葉が現れてきます。中央が白っぽい葉がヒガンバナの葉です。この葉は冬の間は緑色に茂ります。
下の写真は冬のヒガンバナの葉。2014年の1月に撮影したもの。
この葉は春になると枯れていき、9月に花が咲くまでは地上から姿を消します。
多くの植物が春になって芽を出して葉を茂らせるのに比べて、ヒガンバナの一年のサイクルは逆ですね。うーん、とても興味深い花です。
*1:ヒガンバナは三倍体の植物です。倍数性は染色体のセットを何組もっているかどいうことを示していますが、三倍体のものは、生殖細胞がつくられるときに減数分裂がうまくできないので、正常な配偶子をつくることができなくて受精や胚発生がうまくいかないので正常な種子ができません。
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