河合隼雄先生の言葉に触れるZoom読書会
『河合隼雄の幸福論』を読む
『河合隼雄の幸福論』を少しずつ読む読書会です。
『河合隼雄の幸福論』は、1993年1月~1997年12月に中日新聞と東京新聞に連載されたものをまとめて出版された『しあわせ眼鏡』を復刊したものです。
「はじめに」のなかで「正面切って『幸福論』などはじめると、とうてい論じ切ることなど不可能と思っている」とも、「深く考えはじめると難しくなるが、そんなのではなく、ちょっと眼鏡をかけ変えることによって、異なるものが見えるように、少し見方を変えることによって、幸福が身近になる、ということがありそうである」とも述べられています。
観念論や抽象論ではなく、ユング派の心理療法家として人の幸福とはどういうことかに向き合ってこられた河合先生がご自身の体験をもとに語られる言葉は、私たちが日常を生きるうえで大きなヒントを与えてくれます。
それぞれのテーマについて、参加者の方がご自身の体験を振り返ったり、照らし合わせて、どんなふうに感じ、どんなふうに考えるかを共有したいと思います。テーマによってはフラワーエッセンスのことも取り上げたいと思います。一人ひとりの方の感想や考えをそのまま共有する場にしたいと思います。「わたしの幸福」ということについて考えてみる機会になればと思います。
なぜ河合隼雄なのか
社会はますます効率化を求めて極力「無駄」をなくそうとする。そんな社会に合わせていると、自分が生き物だってこと忘れてますね。そりゃーどこかに軋(きし)みが出てきて当たり前じゃね、と思うのです。社会は加速度的に便利になっていくけれど、私たちは果たして「幸せ」になっていってるんだろうか?、と思うのです。
先日、水俣病慰霊式の後に行われた伊藤環境大臣と患者の方々の団体との懇談会で、マイクのスイッチが切られたということがありましたが、そもそも3分で、水俣病に苦闘されてきた方の人生を聞こうなんて馬鹿げてませんか。私たちは一人の人の人生の重みに心を寄せることすらできなくなってしまったのでしょうか。環境省の職員を糾弾すれば済む話ではないように思います。私たちの心は確実に、生き物としての感覚を、生命としての感覚を失ってきていると思います。
自分もその中の一人だと思います。そして僕の場合はそんなときにいつも触れたくなるのが、河合隼雄先生の言葉です。先生の言葉に触れていると、自分の心の奥の方が満たされていくのを感じます。先生の生きる姿勢のようなものが自分のたましいに語りかけてくれるような気持ちなります。
河合隼雄先生の言葉の底には、
誰もが「わたしの物語」を懸命に生きていることへの
敬意と応援の静かで深い水の流れがあるように思います。
その流れを皆さんと共有できるのを楽しみにしています。
内容
『河合隼雄の幸福論』
幸福と何か
モモの笑顔
兄弟
子育て
何を伝えるか
感謝の言葉
常識
人生の後半
幸福の効率計算
儀式
何が欲しい
運命の享受
私はどうでもいいのですが
何か大切なもの
人生の味
河を渡る
満ち足りた人生
親子関係
子どもの幸福
なぜ、私だけが
竜退治
わたしとはだれか
易行と難行
我を忘れる
お祭り
悲しみ
地震に学ぶ
触れる
木
木、ふたたび
森
平成の幽霊
口実
離婚の理由
輪廻転生
贈りもの値段
共鳴するたましい
震災後一年
おかあさん
物語
子どもの権利
郷土愛
幸福の条件
変わる校長先生
体で学ぶ道徳教育
心と体
カルチャー・リッチ
人生学
ひとつに賭ける
家庭の平和
生涯学習
昇りつめた幸福
生きにくい子
二人の女性
自立はできない
子どもが好きになれない
育児ノイローゼ
ゆとりのある見とおし
わたしを束ねないで
音のない音
参加方法
オンライン(Zoom)での参加
開始10分以内に入室してください。10分を過ぎると入室できない場合があります。
音声アーカイブでの視聴も可能です。
音声アーカイブ視聴の方は、読書会開催の数日後にアクセス先をご案内いたします。
読書会の形式
参加者の方は書籍を入手して事前に一読し、できれば1回の読書会につき1つ共有したい文章のタイトル(印象に残った、感銘を受けた、一緒に考えてみたいなど)を選んで参加してください。
当日は参加者の方が共有したいと思うタイトルを高原が少しずつ読み進めながら、みなさんと感想や疑問を共有していきます。基本的に感じたことはそのまま尊重する場にしたいと思っています。
オンライン参加で聞いているだけもOKです。ビデオオフでの参加もOKです。
開催日時
2024年12月までのスケジュール
土曜午前の会
第20回:6月1日(土)10時~11時「なぜ、私だけが 」
第21回:6月15日(土)10時~11時「満ち足りた人生」
第22回:7月6日(土)10時~11時「我を忘れる」
第23回:7月20日(土)10時~11時「木」、「木、ふたたび」
第24回:8月3日(土)10時~11時「悲しみ」
第25回:8月24日(土)10時~11時「何を伝えるか」
第26回:9月14日(土)10時~11時「生涯学習」
第27回:10月12日→6日(土)17時~18時「カルチャー・リッチ」
第28回:10月19日(土)10時~11時「わたしを束ねないで」
第29回:11月2日(土)10時~11時「自立はできない」
第30回:11月23日(土)10時~11時「感謝の言葉」
第31回:12月7日(土)10時~11時「震災後一年」
火曜午後の会
第20回:5月21日(火)14時~15時「なぜ、私だけが 」
第21回:6月11日(火)14時~15時 「子どもの幸福」
第22回:6月25日(火)14時~15時「幸福の効率計算」
第23回:7月16日(火)14時~15時「我を忘れる」
第24回:8月6日(火)14時~15時 「悲しみ」
第25回:8月27日(火)14時~15時「木」、「木、ふたたび」
第26回:9月10日(火)14時~15時「生涯学習」
第27回:9月24日(火)14時~15時「カルチャー・リッチ」
第28回:10月8日(火)14時~15時「わたしを束ねないで」
第29回:10月22日(火)14時~15時「自立はできない」
第30回:11月5日(火)14時~15時「感謝の言葉」
第31回:11月19日(火)14時~15時「震災後一年」
※参加人数によっては15分程度時間延長の可能性があります。
参加費
6回分一括でのお申込み(第26回~第31回):8,400円
各回のお申込み:1,500円
※お申込み後1週間以内に参加費をお振込みください。
定員
オンライン:土曜午前の会8名、火曜午前の会8名
申し込みフォーム
キャンセルについて
基本的にキャンセルはできません。欠席の場合は録音アーカイブをお聞きください。
過去の読書会
第1回:8月5日(土)10時~11時(無料)
第1章 コンステレーション
言語連想テストからの出発、「元型がコンステレートしている」(p.14-p21)
第2回:8月19日(土)10時~11時(無料)
第1章 コンステレーション
「自己実現の過程をコンステレートする」、一つの事例 (p.20-p.28)
第3回:9月9日(土)10時~11時
第1章 コンステレーション
母なるものの元型 (p.28-p.30)
第4回:9月23日(土)10時~11時
第1章 コンステレーション
意味を見出すということ、全体がお互いに関係をもつ(p.30-p.37)
第5回:10月14日(土)10時~11時
第1章 コンステレーション
予定:コンステレーションを私が読む、余計なことをしないが、心はかかわる(p.37-p.42)
第6回:10月28日(土)10時~11時
第1章 コンステレーション
予定:気配を読み取る、コンステレーションと物語(p.42-p.52)
第7回:11月11日(土)10時~11時
第1章 コンステレーション
予定:コンステレーションと物語、日本の神話をいかに語るか(p.46-p.53)
第8回:11月18日(土)10時~11時
第2章 物語と心理療法
予定:リアライゼーション(p.56-p.59)
第9回:12月2日(土)10時~11時
第2章 物語と心理療法
予定:「語る」ということ、ストーリーは筋をもつ(p.59-p.66)
第10回:12月16日(土)10時~11時
第2章 物語と心理療法
予定:詩的な言語と自然科学の言語、科学の側の反省ー語りの大切さ(p.67-p76)
第11回:1月6日(土)10時~11時
第2章 物語と心理療法
予定:「文体」について、心理療法としてのミソ・ドラマ(p.76-p86)
第12回:1月20日(土)10時~11時
第2章 物語と心理療法
予定:心理療法としてのミソ・ドラマ、欧米の神話と日本の物語の違い(p.82-p90)
第13回:2月3日(土)10時~11時
第2章 物語と心理療法
予定:日本人の自我、「受胎告知」のダイナミズム(p.90-p95)
第14回:2月17日(土)10時~11時
第2章 物語と心理療法
事例研究の普遍性、物語と自然科学(p.95-p101)、全体を振り返って
第15回:3月9日(土)10時~11時
第5章 アイデンティティの深化
深層心理学の仕事、アイデンティティとは
第16回:3月23日(土)10時~11時
第5章 アイデンティティの深化
西洋人の自我と日本人の自我、自我同一性の確立と断念する力
第17回:4月13日(土)10時~11時
第5章 アイデンティティの深化
何が「私」をささえているか、柳田国男の『先祖の話』
第18回:4月27日(土)10時~11時
第5章 アイデンティティの深化
神様への手紙、ファンタジーをもつこと
第19回:5月11日(土)10時~11時
第5章 アイデンティティの深化
根本的なジレンマ、自己実現の過程