ミムルス(ミムラス)との出会い、花からの贈り物
フラワーエッセンスは花からの贈り物
皆さんは植物から贈り物をもらったことがありますか。僕はあります。とかいうと、ちょっと気持ち悪がられそうですね。還暦を迎えたおっさんが植物から贈り物…ってね。相当ヤバイ感じです(笑)
ヤバイですが、いまさらしょうがないので花の贈り物について書いてみたいと思います。「贈り物」といっても、僕が勝手にそう感じているだけだと言われればその通りです。
けれども、植物とかかわっていると、なぜか偶然が重なってそう感じられるようなことが起こります。偶然なんだけれども、自分にとってはとても偶然でかたずけられないような、偶然と偶然とが確かな意味のつながりで結ばれて感れられるようなできごとになることがあります。
これから書こうとしていることは、フラワーエッセンスと植物のつながりを学びたいという自分のなかに湧いてきた熱意が自分を動かしたことから始まっています。それまで小さなビンに入ったフラワーエッセンスとして使ってきたものが、実際の植物に会うことで、それまでよりもずっとリアルに感じられるようになりました。
フラワーエッセンスと植物(花)と心がつながると、フラワーエッセンスの使い方は、知識として情報だけを知っているときとは、まったく違ったものになるという実例として読んでいただけると嬉しいです。
ミムルス(ミムラス) のフラワーエッセンス
ミムルス(ミムラス) はゴマノハグサ科ミゾホウズキ属の植物で、エドワード・バッチが最初につくった3つのフラワーエッセンスのうちの一つだと言われています。日常の中で様々な恐れに出会うとそれに直面することができず内向してしまうような心のパターンがあるときに、直面してゆく勇気を目覚めさせる助けになります。
フラワーエッセンスを初めて試してみたのは1996~7年ごろのことですが、当時からよく使ったフラワーエッセンスの1つがミムルス(ミムラス)でした。その後2000年に米国ネバダ州で開催されたFES(Flower Essence Society)の集中研修のときに、ミムルス(ミムラス)の群生に出会ったこと、そしてそのときに見たミムルス(ミムラス)の夢は、こうしてフラワーエッセンスのことをやっていく原点になった経験といっても過言ではありません。そのことを書いてみたいと思います。
シエラネバダへのフィールドトリップ
FESはカリフォルニア州ネバダシティにあるフラワーエッセンスの研究機関&メーカー(リチャード・キャッツ氏が創設し、パトリシア・カミンスキ―氏と共に運営)です。
その研修は、ネバダシティから東へ100キロほど⾏ったところにあるタホ湖という湖近くのグランリバッケン タホで⾏われました。その研修の中で、なんといっても忘れられないのがフィールドトリップです。
宿泊したグランリバッケンタホ周辺でも多くの美しい花を見ることができましたが、フィールドトリップ(標高2800m級の山のハイキング・トレイルを散策しながらの植物観察)で出会った花は特に心に残っています。
前日の昼食時、同じテーブルだったリチャードさん(FESの創設者)に、明日は何種類くらいの花が観られるのかと聞くと、彼は笑いながら「many!!」とだけ答えてくれました。
当日の朝宿泊施設をバスで出発し、エルドラド国⽴森林公園の中にあるハイキング・トレイルの入り口でバスを降りて植物観察をしながら登っていきました。日本の山に比べると湿度は格段に低くて、ある程度登ると高い木がなくなり視界が開けるので、爽快な気分で歩くことができます。ハイキングトレイルをウィンムッカ湖という湖に向かって2時間余り歩くのですが、途中フラワーエッセンスになっている植物にたくさん出会います。
花に出会うたびにグループから「おー!」という歓声があがります。その声を聞くたびになんの花なんだろうとみんなのテンションが上がります。そして、ガイド役のパトリシアさんとリチャードさんがそれぞれの花について解説してくださるという、ものすごく贅沢なハイキングです。
インディアンペイントブラッシュ、セージブラッシュ、マリポサリリー、アルパインアスター、ヤロウ(ヤロー)、コーンリリー、アンジェリカ、マウンテンペニーロイヤル、ミムルス・・・。
それまでは⼩さな瓶に⼊ったフラワーエッセンスとしてしか知らなかった植物が、⾃然のままに花を咲かせている姿を実際に目の当たりにするわけです。国立公園で保護されているので、ほとんど手つかずの自然の中で花は咲いていました。
マリポサリリーとの出会い
ウィンムッカ湖にたどり着くまでに2時間余り歩いたと思います。ここが昼食と植物研究の場所になります。木陰に座って湖面を渡っていく風を見ながら頬張ったサンドイッチは格別だったなあ。湖の近くにはシューティングスターやフォーゲットミーノットも咲いていました。
ほとんどの参加者がこの湖の周辺でスケッチなどの植物研究を行いました。僕もその予定でした。
けれども、ここで「偶然」というやつが顔をのぞかせます。
たまたまパトリシアさんとリチャードさんの近くにいたのですが、お二人が「もっと奥にある湖まで行くけど一緒に行く?」と声をかけてくださったのです。もちろん、答えはイエス。パトリシアさんは軽い感じで言ったし、まあ10分か20分も歩けばつくだろう・・・。それくらいに考えていました。
まるで羽でも生えているかのように軽い足取りのパトリシアさんの後を、他の参加者数人と必死について行きました。けれども、20分経っても30分経っても、いっこうに目的地が近づいている気配はなく、眼下に見えるウィンムッカ湖はだんだん小さくなっていくばかり。足元には岩が多くなり、植物の様子も変わってきて、下では観られなかった花が見られました。
岩の間でマゼンタ色の花を咲かせるマウンテンプライドや、残雪の近くで咲いているシエラプリムローズ、岩場に咲くマリポサリリー。マリポサリリーがフラワーエッセンス・プラクティショナーの間で「Madonna of the Rocks」と呼ばれ、天の母としての岩窟の聖母とアーキタイプ的なイメージのつながりをもっていることをこのとき体感的に理解しました。
ようやく尾根を越えて視界が開けたときには、歩き始めてすでに1時間が過ぎていました。目的地の湖が見えたとき、その美しさに思わず感嘆の声が漏れ出てしまいました。
ミムルス(ミムラス)との出会い
こちら側の岸にはたくさんの花が今を盛りに咲いていました。中でも湖に流れ込む雪解け水のせせらぎに沿って咲く黄色い花が美しい。まるで光の粒が集まって流れるているようでした。
引き寄せられるように近づくと、それはミムルス(ミムラス)の群生でした。その表情はグランリバッケンで見たものとも、フィールドトリップの始めに見たものとも違っていて、背丈は低く、花の表情が豊かでたくましい感じがありました。生命の喜びを湛えている。そんな表情に見えました。「・・・これがミムルスなんだ。」
早速スケッチを始めたのですが遠くまで来てしまったので、滞在できる時間は10分程しかありませんでした。すぐに引き返さないとバスに置いて行かれそうな時間でした。
僕らは湖を後にただ黙々と歩きました。シエラネヴァダの山並みを見ながらしばらく歩いたとき、不意に胸が熱くなって涙が出てきました。たくさんの美しい花に会えたこと、そしてこのシエラネヴァダ山脈に抱かれている幸せ、僕の中の一番深いところにある何かに触れた感じでした。
ミムルス(ミムラス)からの贈り物
僕はどうしても、どうしてもミムルス(ミムラス)ともう少し一緒にいたくて、持っていったミネラルウォーターのペットボトルに雪解け水を少し入れ、その中に1本ミムルス(ミムラス)を入れて宿泊していた部屋に持ち帰ってきました。
グランリバッケンタホに帰ってみると、暑さのせいか花はしおれていました。悪いことしたなー、と後悔しました。部屋にあった紙コップに冷たい水を入れて、その中に移してその晩は疲れて眠ってしまいました。
翌朝起きてみると、すでに開花していた花はしおれたままでしたが、蕾が元気を取り戻していました。そして、その蕾が開き始め、見事に開花するまでの過程をじっくり観察させてもらうことができたのです!このときのスケッチは今でも宝物です。
ミムルスのトンネルの夢
しかも、僕はその研修中に次のような夢を見ました。
ミムルスの花ような形の、大きなトンネルが少し前方にある。
トンネルの奥は暗くてよく見えないが、どうやらミムルスの花のように下に向かって落ち込んでいる。
入り口から少し入ったところにノートの切れ端の紙があるのがわかっている。
そこにはとても大事なことが書いてある。
取りに行きたいが、トンネルの中に吸い込まれそうで怖い。
勇気を出して意を決して取りに行く。
無事にその紙を手に入れて戻る。
そのときのノート(日記)には夢のメッセージとして「恐れの中に、影の中に、闇の中にこそ、知恵が眠っている」と書いていました。
この夢を見て僕はミムルス(ミムラス)から「贈り物」を受け取ったように感じ、物凄くうれしかったのです。群生しているところに行ったのも、ある偶然が作用してのことでした。そして、持ち帰ったミムルス(ミムラス)が花を咲かせる過程をじっくり観察できたこと、ミムルス(ミムラス)の夢を見ることができたこと、それらすべては偶然なんんだけれども、まるで誰かが配置したような出来事に感じられました。
このような経験を通して、僕はフラワーエッセンスと植物と心のつながりを仕事にしていくことを決めました。そのことを発信していくことが、もしかしたら誰かの力になるかもしれないと思って。ちょうど、20年前の自分がそうであったように。
ここまで読んでくださってありがとうございました。もし、何か参考になったり、この記事いいなと思われたら、💛のボタンを押していただけるとうれしいです。
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