ドクダミのメタモルフォーゼ
ドクダミの季節ですね。以前にドクダミを観察していたことがあったのですが、そのときに発見したことをシェアしたいと思います。こういうのを本を読んでとかじゃなく自分で見つけると、本当にうれしいですね。まさに sense of wonder !!
ドクダミ、といえば「4枚の白い十字」です。
あれは花びらではなく「総苞片(そうほうへん)」ですが、ドクダミの4枚の総苞片は葉と托葉がメタモルフォーゼしたものじゃないのか!ということを観察の過程で考えました。
ゲーテは植物のあらゆる器官は葉が変容したもの、と言っています。
まず、総苞片を見ると、
4枚の大きさが微妙に違うのがわかります。
上の写真ではAが一番大きくて、
BとCが同じ大きさで、Dが一番小さい。
これはつぼみの時に総苞片が
どのように折りたたまれているかと関係があります。
下の写真を見るとそのことがわかると思います。
そうなんです。Aの総苞片が一番外側、
その内側にあるのがBとC、
そして一番内側がDです。
この4枚の総苞片の重なり方を
見ていて気づいたのです。
これって、葉と托葉の位置関係とおんなじやん!
※托葉(たくよう:葉の根元のちっちゃい葉っぱみたいなやつ)
托葉ってこれ(↓)です。
葉と托葉の位置関係(↓)を見ると、
4枚の総苞片の重なり方と見事に一致します。
ということは、AとDは葉が、
BとCは托葉がメタモルフォーゼしたものが、
4枚の総苞片じゃないかと思いついたのです。
だから、どうなんだって言われると、
自然てすごいなあ!
くらいしかいえないのですが(^_^;)、
みなさんはどう思われますか。
そんなことを考えていたときに、
次のようなドクダミに出会いました。
解像度の小さい写真しかないのですが、
下の写真をご覧ください。
このドクダミの花には、
といってもちゃんとした花序はないようですが、
総苞片が3枚しかありません。
しかも小さいです。
ちょうど2枚の葉+托葉から
4枚の総苞片への移行途中?
みたいな感じじゃないかと思います。
葉と托葉の位置関係(↑)でいうと、
こういう(↓)位置関係ですね。
つまりAの一番外側の葉だけがそのまま残っていて、
托葉(BとC)とDの葉だけが
総苞片に変化している段階。
植物のところへ何度も足を運んでいると、
時として植物が秘密を明かしてくれたんじゃないか?!
と思う姿を見せてくれることがあります。
いや、そりゃー、たくさん見れば
珍しいのに出くわす確率が上がるからじゃないの?
と言われれば、その通りなんですけど、
そのときに経験する感覚が好きです。
自然はなんと不思議なんだろう!
この目に見える世界の背後にあって
植物にも自分にもはたらいている「いのち」って
なんと大きなものなんだろう!
そのとき僕は、
植物と人間という垣根を越えて
植物と自分が響き合っているように
感じられるのです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。もし、何か参考になったり、この記事いいなと思われたら、💛のボタンを押していただけるとうれしいです。
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