バッチフラワーエッセンスの選び方
バッチフラワーエッセンスの選び方
フラワーエッセンスの選びかたにはいくつか方法がありますが、ここでは解説文から選ぶ方法について解説します。
説明文を理解する
エドワードバッチの38のフラワーエッセンスの中から自分に合ったものを選ぶときには、通常それぞれのエッセンスについてのシンプルな説明文を読んで、それが当てはまるかどうかを自分自身に照らし合わせて選びます。
ですから、フラワーエッセンスを選ぼうとすると、自ずと自分の気持ちや感情や態度がどのようなものか振り返ってみることになります。 たとえば、ミムルス(ミムラス)の性質についてバッチは『12の癒し手とその他のレメディ』の中で次のように説明しています。
病気、痛み、事故、貧乏、暗闇、孤独、災難といった世事に対する恐れ、日常生活での心配に。この状態にある人は、密かに恐れを抱いていて、他の人に自分から悩みを打ち明けることはありません。(*1)
この説明文を「こんな心の状態や傾向を経験しやすい」と「こんなふうに変化する可能性がある」(フラワーエッセンスを使うことで心に育っていく可能性)という形で表現すると次のようになります。
こんな心の状態や傾向を経験しやすい:世俗的、日常的な事柄の、何か特定のものに恐れを抱いて心配し、直面できず内向しやすい。
こんなふうに変化する可能性がある:恐れているものに向き合う勇気をもつことができる。
これはバッチの説明文や、FESの『フラワーエッセンス・レパートリー』などを参考に、筆者の経験を反映して表現したものです。
7つのカテゴリー
エドワードバッチはフラワーエッセンスを開発する前、細菌学者として慢性疾患と腸内細菌の研究を行い、ノソードと呼ばれる経口 ワクチンを開発しました。7つのノソードは7種類の腸内細菌から作られました。
ある段階から彼はそれらを腸内細菌の代わりに7種類のハーブを使うことはできないかと考え研究を始めたようです。この経口ワクチンをハーブを使ってつくるというアイディアが、フラワーエッセンスの誕生につながったと思われます。
最終的にはこのノソードによる治療をやめて、フラワーエッセンスの開発に全精力を注ぎました。 彼が患者の性格や態度が病気からの回復に大きな影響を与えているという洞察を得たのは、このような研究や臨床の過程を通してでした。
フラワーエッセ ンスの開発に至るまでの道筋を振り返ってわかることの一つは、人間には性格や態度にパターンがあり、それはいくつかのグループに分けることができること。そのパターンとして表れているものをたましいとの調和/不調和の関係から理解し、バランスさせることが健康につながると考えていたことです。
エドワードバッチは38のフラワーエッセンスを誰でも簡単に使うことができるように、できるだけシンプルな文章で表しました。同時に、7つのカテゴリーに分類するということを行いました。次にそれを紹介したいと思います。以下の分類は『12の癒し手とその他のレメディ』に示されています。
以下は『12の癒し手とその他のレメディ』の分類を表にして、それぞれのエッセンスの解説を「こんな心の状態や傾向を経験しやすい」と「こんなふうに変化する可能性がある」(フラワーエッセンスを使うことで心に育っていく可能性)という形に表現しました。できるだけ簡潔に表したもので、自分でバッチフラワーエッセンスを選ぶときの参考にしていただければ幸いです。各フラワーエッセンスの詳細な解説はエッセンス名のリンクをクリックして確認してください。
① 恐れや不安
さらに詳しい解説は下のフラワーエッセンス名をクリック(↓) | こんな心の状態や傾向を経験しやすい人が使うとよい | こんなふうに変化する可能性がある |
ロックローズ | 死や消滅を意識するような恐怖を感じる状態。あるいは物事に過敏に反応して興奮したりパニックになりやすい。 | 恐れを勇気と冷静さに変え、危機や恐怖に直面できる。 |
ミムルス (ミムラス) | 世俗的、日常的な事柄の、何か特定のものに恐れを抱いて心配し、直面できず内向しやすい。 | 恐れているものに向き合う勇気をもつことができる。 |
チェリープラム | 心が張りつめていて、自制心を失うのではないかという恐れ。破壊的な衝動。 | 緊張が和らぎ落ちついて委ねることができる。 |
アスペン | 漠然とした怖さや不安を感じることが多い。よくないことが起こるんじゃないかという心配や恐れ。 | 未知のものや見えない世界に自信をもって向き合うことができる。 |
レッドチェスナット (レッドチェストナット) | 特に自分の愛する人たちに何か悪いことが起こるのではないかと心配しすぎる。 | 穏やかで深い愛情と信頼に基づいて人を気遣うことができる。 |
② 確信が持てない
さらに詳しい解説は下のフラワーエッセンス名をクリック(↓) | こんな心の状態や傾向を経験しやすい人が使うとよい | こんなふうに変化する可能性がある |
セラトー (セラト) | 外の情報や他者からのアドバイスに頼り、自分の選択からたやすく逸れてしまう傾向。 | 知恵や直感を信頼して意思を決めることができる。 |
スクレランサス (スクリランサス) | 二つの選択肢の間を揺れ動き迷って決められない傾向。 | 明確な目的意識をもって決断できる |
ゲンチアン(ゲンチアナ、ジェンティアン) | 少しでもうまくいかないことや困難なことがあると自信を失って落胆しやすい。 | 挫折や後退があっても持ち続けることのできる信頼。 |
ゴース | 希望を見いだすことができない。物事を悲観的に予期する。 | 期待と喜びの視点から物事を見ることができる。 |
ホーンビーム | やり始めればできるが、一日の仕事を前に、向き合う強さやエネルギーがないと感じ、気が思い。 | 熱意と新鮮なエネルギーを回復する。 |
③ 現実の状況に十分な関心を払えない
さらに詳しい解説は下のフラワーエッセンス名をクリック(↓) | こんな心の状態や傾向を経験しやすい人が使うとよい | こんなふうに変化する可能性がある |
クレマティス(クレマチス) | こうなったらいいなあという未来を夢想して時間を過ごす傾向。 | 今このときに意識を向けることができる。 |
ハニーサックル | 幸せに思える過去に思いをめぐらせたり、過去の記憶に感傷的に浸りがち。 | 過去に向けていたエネルギーを今に向けなおすことができる。 |
ワイルドローズ | 自分の状況をよりよく変えることなどできないとあきらめている。 | 生きる喜びや熱意を回復することができる。 |
オリーブ(オリーヴ) | 肉体的にも精神的にも長期に渡って消耗している状態。 | 回復力や活力を取り戻すことができる。 |
ホワイトチェスナット (ホワイトチェストナット) | 考えようと思わないことを気づくと繰り返し考えている状態。 | 考えが治まり心の静かさを経験できる。 |
マスタード | 訳もなく暗い憂鬱な気分に襲われ落胆する。 | 感情的なバランスを取り戻し、穏やかな喜びを感じることができる。 |
チェスナットバッド(チェエストナットバッド) | 経験を次に活かすことがむずかしい。習慣的なパターンを繰り返してしまう。 | 経験の全体や細部に意識を届かせ、洞察を得ることができる。 |
④ 孤独
さらに詳しい解説は下のフラワーエッセンス名をクリック(↓) | こんな心の状態や傾向を経験しやすい人が使うとよい | こんなふうに変化する可能性がある |
ウォーターバイオレット(ウォーターヴァイオレット) | 穏やかで独立心が強く独りを好む傾向。社交性よりも自身の内的な価値観を重視する。 | 内的な価値を他者と共有する喜びを経験できる。 |
インパチェンス(インペイシェンス) | すべてを自分のペースで早く済ませたい。他者のゆっく りとしたペースにいらだつ傾向。 | 忍耐強く穏やかに人や周りの世界とかかわることができる。 |
ヘザー | 自分を認めてくれる相手を探していて、相手のことを考えずに自分のことばかり話してしまう。 | 自分にばかり向いていた関心を他者を思いやることに向けることができる。 |
⑤ 周囲の人の考えや影響に過敏
さらに詳しい解説は下のフラワーエッセンス名をクリック(↓) | こんな心の状態や傾向を経験しやすい人が使うとよい | こんなふうに変化する可能性がある |
アグリモニー(アグリモニ) | 周囲の人たちとの間の緊張や不和にとても敏感で、悩みや心配を抱えていても快活に寛容に振舞う傾向。 | 抱えている痛みや葛藤を正直に認めることで心の安らぎを得ることができる。 |
セントーリ (セントーリー) | 従順で人のために何かしたいという気持ちが強く、人の言いなりになりやすい。 | 自分を満たした上で、人を思いやり行動できる。 |
ウォルナット(ウォールナット) | 他の人の強い意見や価値観などに影響され、自分の目標から外れる。 | 自分を縛るような影響から自由になり、新たな局面へ進むことができる。 |
ホリー | 自分がまわりから切り離されているように感じられて(疎外感)、嫉妬や妬み、不信感などを感じる。 | 人を心を開いて受け入れ、温かく神聖な心でつながり(愛)を感じることができる。 |
⑥ 落胆、失望
さらに詳しい解説は下のフラワーエッセンス名をクリック(↓) | こんな心の状態や傾向を経験しやすい人が使うとよい | こんなふうに変化する可能性がある |
ラーチ | やっても自分には無理だろうと結果を悲観的に予測して自分で自分を抑えてしまう傾向。 | 自分への制限や疑いを超えて自分を信頼して創造性を発揮できる。 |
パイン | 自分を責めたり卑下する傾向。些細なことも自分が悪いのではと考えてしまいがちになる。 | 自分自身を許し受け入れる。 |
エルム | 引き受けた役割や仕事の重荷に圧倒され、やり遂げることができないのではないかと落胆する。 | 自分を信頼して、仕事を成し遂げることができる。 |
スイートチェスナット | 耐えられないほどの苦悩に、途方にくれ、もう打つ手がないと感じる状態。もう限界だと感じる。 | 新しい可能性を生きる勇気。 |
スターオブベツレヘム | 痛みや悲しみに沈んでいる。あるいは、過去のショックや傷つきを抱えている。 | 痛みや悲しみを和らげ癒しをもたらす。内面の安らかさと神性さ。 |
ウィロウ(ウィロー) | 苦労や逆境に苦しんできて、自分は犠牲者だと苦々しく感じる。 | 人生(運命)を自分のものとしてを受け入れ、その責任を引き受ける覚悟。 |
オーク | 困難に立ち向かい、自分に無理を強いるような形で奮闘する。 | 限界を受け入れる柔軟性をもった忍耐強さ。 |
クラブアップル | 完全でない、純粋でない、清潔でないことを受け入難い。自分が汚れていると感じ自己嫌悪に陥る。 | 浄化し純粋さや秩序の意識をもたらす。不完全さを受け入れることができる。 |
⑦ 過剰に人のことが気にかかる
さらに詳しい解説は下のフラワーエッセンス名をクリック(↓) | こんな心の状態や傾向を経験しやすい人が使うとよい | こんなふうに変化する可能性がある |
チコリー(チコリ) | 自分の独占欲や願望を満たすような形の愛情表現。他の人が必要としていものを気にかけていて、それを自分の願望と一緒に見たそうとする。 | 相手の自由や個性を認め尊重することのできる無私の愛。 |
ヴァーヴェイン(バーベイン) | 相手を自分の理想に同意させようとする狂信的な態度。 | 現実に根ざした理想主義。バランスされた理想への情熱。 |
ヴァイン(バイン) | 自分が正しいと思う行動を、他者にもそれが正しいと信じて強いる。支配的な態度。 | 他者の個性を尊重し、リーダー性を他者のために使うことができる。 |
ビーチ | 物事や人の悪い面や欠点ばかりが意識される傾向。批判的で寛容さがなく過敏に反応する。 | 人や状況の中の良い面を見ることができる。 |
ロックウォーター | こうあるべきという融通の利かないやり方や、規則や決まりに従うことで完璧であろうとする。 | 心がもっている自然な欲求や柔軟さを経験できる。 |
3つのグループ
7つのカテゴリーは38のフラワーエッセンスを7つのテーマに分類したものですが、7つのカテゴリーとは別に、エドワードバッチは3つのグループにも分けています。それは彼がフラワーエッセンスを見つけて行った過程と深い関係があります。
バッチがフラワーエッセンスを作っていく過程をたどってみると、1928年の9月にウェールズに行き、最初の3つのフラワーレメディー、インパチェンス、ミムルス、クレマティスをつくりました。その後1932年の春までに12のフラワーエッセンスを作り、それらを12(トゥエルヴ)ヒーラーズと名づけました。これら12のエッセンスは人(たましい)が生まれながらに持っている気質や性格に対応するものと位置づけられました。
12ヒーラーズ
- インパチェンス/インペイシェンス
- ミムルス/ミムラス
- クレマティス
- アグリモニ/アグリモニー
- チコリ/チコリー
- ヴァーヴェイン/バーベイン
- セントーリ/セントーリー
- セラト/セラトー
- スクレランサス/スクリランサス
- ウォーターバイオレット/ウォーターヴァイオレット
- ゲンチアン/ジェンティアン
- ロックローズ
7ヘルパーズ
1934年までには次の7つのフラワーエッセンスを発見して、7(セヴン)ヘルパーズと名づけました。7ヘルパーズは長期にわたる生活の中で身に着けた慢性的なパターンに対応するものです。
- ゴース
- オーク
- ヘザー
- ロックウォーター
- バイン/ヴァイン
- オリーブ/オリーヴ
- ワイルドオート
セカンド19
1935年には残りの19のフラワーエッセンスが作られ、セカンド19(ナインティーン)と呼ばれました。これらは人生で経験する困難な状況の感情や心理状態を乗り越えていくためのものという位置づけです。
- チェリープラム
- エルム
- アスペン
- チェスナットバッド
- ラーチ
- ホーンビーム
- ウィロウ(ウィロー)
- ビーチ
- クラブアップル
- ウォルナット
- スターオブベツレヘム
- ホリー
- ホワイトチェスナット
- レッドチェスナット
- パイン
- ハニーサックル
- ワイルドローズ
- マスタード
- スターオブベツレヘム
38のフラワーエッセンスのうち前半に作られた12ヒーラーズと7ヘルパーズをあわせた19は太陽法で、後半に作られたセカンド19は1つの例外を除いて煮沸法で作られました。
玉ねぎの皮をむくように
この3つのグループについて心のどのような層と関連の深い性質かを考えてみることができます。
12ヒーラーズはもっとも基本的な生まれもったたましいの個性を表わすようなフラワーエッセンスのグループで、こころの深い層と関連の深い性質と見ることができます。
けれども、人は生まれもったたましいの個性を生まれてきた環境で容易に発揮できるかといえば、できないことの方が多いのではないかと思います。そのため、生まれてきた環境に適応しようとして身に着けたこころのパターンのようなものがあると思うのですが、7ヘルパーズはそれにあたり、12ヒーラーズよりももう少し通常の意識に近い領域に関連する性質と見なすことができます。
そして、人生の日々の生活の中で困難な状況で経験する感情や心理状態に対応するセカンド19がさらに通常の意識に近いところで経験される感情状態や心理的なパターンとして見ることができます。
したがって、玉ねぎの皮をむくように、セカンド19→7ヘルパーズ→12ヒーラーズという順番に、こころの表層部分に関連の深い心理的なパターンから取り組み始めて、環境に適応しようとして長年にわたって身に着けたパターン、そして最後に持って生まれた性質に取り組んでいくのが自然な流れだと考えることができます。
しかし、実際には人間のこころは複雑に入り組んでいて、いつもこの通りにいくとは言い難いところがあります。というより、この通りにはいかないことの方が多いかもしれません。けれども、基本的な取り組みの態度として、意識されている身近なテーマから取り組んでいき、次第に自分にとって核心的なテーマに取り組むことを心がけることは大切です。
確かにフラワーエッセンスには私たちのたましいの種子が芽吹くのを助けてくれるような力が実際にあります。けれども、そのような意味でフラワーエッセンスを学び、使っていくことは正直時間のかかることです。「〇〇さえすれば誰でもすぐに実現できる」ことがもてはやされる時代ですが、こればかりはそのようなわけにはいきません。
ですから、一足飛びに行こうとしないで、小さなことから正直に自分に向き合ってフラワーエッセンスを使っていくということを続けていけば、自ずと自分にとって大きなテーマに取り組むことができるようになっていくでしょう。
フラワーエッセンスを選ぶときのポイント
さて、いよいよ具体的なフラワーエッセンスの選び方に移りましょう。フラワーエッセンスの選びかたには自分の個性を生かしていくのがいいと思いますし、いろいろなやり方があっていいと思いますが、ここでは自分自身に向き合って心のエネルギーの器を広げていく方法について解説したいと思います。 自分に合ったフラワーエッセンスを選ぶためのポイントを次の3つの段階に分けて考えてみます。
- フラワーエッセンスを選ぶ前の段階
- フラワーエッセンスを選ぶ段階
- フラワーエッセンスを服用する段階
フラワーエッセンスを選ぶ前の段階
まず、(1)の段階です。エドワードバッチがフラワーエッセンスを選ぶための方法として簡潔な説明文を採用した大きな利点は、フラワーエッセンスを選ぶ段階で自分自身に向き合うことができるということだと思います。
フラワーエッセンスを使おうとすれば、自然に自分自身を理解しようとする態度が生まれることですね。 フラワーエッセンスを選ぶ前の段階としては、時間をとって静かに自分を振り返ってどのようなことについてフラワーエッセンスを使いたいかをできるだけ具体的にしておくことが大切です。
しかし、普段自分に起こったことを理詰めで(原因と結果で)解釈することが習慣になっていたりすると、内省して自分の心の動きや感情に触れるのが難しいことがあります。たとえば、頭でいろいろ理由を考えて自分を納得させたり、なぜ相手が悪いかを説明しようとしていたり、原因は何かを追求しようとしたり・・・といったことが起こるかもしれません。 自分を振り返るときには以下のことを意識してみてください。
- 書き出してみる
- 視点を内側に
- 判断や評価を横に置く
- 抽象的な言葉に置き換えない
- Whyよりも、How
1.は頭の中で考えないで、できるだけ書き出してみることです。フラワーエッセンス講座やワークショップで実際にやってみると、その違いを実感される方が多いですね。
2.は、普段考えているのと同じようなやり方で考えてしまうと、意識が自分の内側ではなくて、そのとき外側の状況や相手に向いてしまいやすいと思います。たとえば「相手があんないい方したから腹が立った」とか・・・。そうなると考えがぐるぐる・・・ということになりかねません。内省するときは視点を内側に向けて、自分はあんなに腹が立っていたんだとか、その腹立たしさは何かぶつけてやりたいくらいだったとか、でも何も言えなかったとか・・・。自分に起こっていることに意識を向けるようにします。
3.は、私たちは無意識に正しいとか間違っているという判断を加えて物事を見ていることが多いので、できる限りそういう判断や評価を脇に置いて自分の心の動きを追ってみるということです。たとえば「復讐はいけないこと」と思っている人にとっては、自分が抱いてしまった「復讐したいような怒り」は意識するのが難しいでしょう。それはイライラとしてしか感じられないかもしれません。
4.は、「自分は自己価値を認めることができない」というよりは、実際に自分の内側で起こっていることをそのまま意識するのがいいと思います。「気がついたら、だからお前はいつもだめなんだ、ってよく自分に言ってる」とか。
5.は、たとえば一日を振り返って印象に残っていることを思い返してみるとき、「あ~、あいつのあの一言カチンと来たなあ」とか、「今日は仕事中めっちゃイラついてたなあ」と思い出されたとしたら、そのときによく考えるのは「なぜだろう?」ということだと思います。 なんでカチンときたのか?、なんでイラついたのか?、なんで?と私たちは自然にその理由や原因を考えます。
けれども、理由や原因は結局よくわからないこともあります。こうかもしれない、というところまではいけますが、なぜ?を問うと考えが巡って、こうだからかもしれないという思考になって、そのときの気持ちや感情や感覚から離れてしまいやすいと思います。意識が外側に向きやすく、友達の言い方であったり、仲間の仕事ぶりだったりがぐるぐるしてくるかもしれません。
そういうときには、「どんなふうに」と自分に問いかけてみるのがいいと思います。どんなふうにイラついたのか?自分の気持ちや感情がどんなふうに動いたのか?誰かにバカにされたように感じてイラッとしたとか、思うようにいかず何かじゃまされているような気がしてイラッとしたとか、内心怒っていたけど何も言えなくてイラッとしたとか・・・。 自分自身を振り返る作業を一人で行うことが難しいときは、プラクティショナーの力を借りるのも一案です。
フラワーエッセンスを選ぶ段階
実際にフラワーエッセンスを選ぶ段階は、自分自身について振り返ったことによって気づいたことと、フラワーエッセンスの性質を照らし合わせることを行う過程です。自分の内的なテーマがクリアになっているとこの作業は行いやすくなります。
この段階で大切なことは、フラワーエッセンスの性質をよく理解することです。「ないものを付け加えることはできない」でも説明したとおり(ミムルスの「恐れ/勇気」のように)、フラワーエッセンスの性質には両面性(両極性)があります。
フラワーエッセンスの性質のポジティブな面だけに注目してしまうと、適切なエッセンスを選ぶことができない可能性があります。 適切なエッセンスを選択して、その効果を最大限に受け取るには、目指すは1.から始めて、少しずつ5.に近づいていくことだと思います。
- キーワードだけの理解
- 知的な乾いた情報としての理解
- 物語や人物像のような生きたイメージとしての理解
- 生きたイメージが自分の経験に結びついた理解
- 生きたイメージが植物の特徴や存在感と結びついた理解、そして植物そのものとのつながり
その過程でとくにポイントとなるアプローチが2つあります。1つはフラワーエッセンスを体感して自分にとってそのエッセンスがどんなふうに感じられるかを実際に試してみることです。そして、もう1つは実際の植物のところに出かけて行って観察することです。
エドワード・バッチの38のフラワーエッセンスはイギリスの植物がほとんどなので簡単ではありませんが、日本の植物園に存在するものもかなりあります。また、まったく同じ植物種ではなくても、近縁種が日本に自生しているものもあります。 できることなら、そうした植物に会いにいって観察することができると、フラワーエッセンスの使い方はそれまでときっと違ったものになると思います。
フラワーエッセンスを服用する段階
普段日常生活を送っていると、生活のほとんどが物事を区別して判断して取捨選択してコントロールして・・・といった表層の意識をフルにつかう状態になっていると思います。定期的に瞑想したり、自然の中に出かけて行ったりする人を除けば、普段心の深い層に触れる時間は多くないのが普通だと思います。
フラワーエッセンスによって起こる変化はこころが全体性へと向かうような方向にはたらきます。心の固まってしまったパターンが緩んで、より意識の深いところに光が届き、全体に近づいていくという方向です。
ですから、フラワーエッセンスを服用する段階で、定期的に静かに自分の内面に耳を傾けるような時間をつくることが大切です。それはフラワーエッセンスのはたらく方向、つまり心が全体性へと向かう方向に自分自身を合わせる時間です。一日の始まりや終わりに自分の内面に静かに耳を傾けて感じたことや気づいたことを記録したり、フラワーエッセンスを体感する時間をもつことは、フラワーエッセンスによって目覚めようとしている可能性にとっても大きな力になるでしょう。