インパチェンス(インペイシェンス)は、何ごとも自分のペースで早く進めたい人、人のゆっくりとしたペースを待つのがもどかしくなる人が、穏やかさと忍耐を取り戻すのを助けるフラワーエッセンスです。
このページでは、インパチェンスの性質とどんなときに使えるか、そしてヒマラヤ原産のツリフネソウ科の植物としての姿を紹介します。

インパチェンスはどんなときに使える?
インパチェンスは、エドワード・バッチが1928年9月にウェールズで最初につくった3種——インパチェンス・ミムルス・クレマティス——のひとつで、のちに最初の12種「12ヒーラーズ」に数えられ、1936年の『トゥエルブヒーラーズとその他のレメディ』にも収められました。
バッチは、インパチェンスを「孤独」というグループに分類しています。
インパチェンスが助けになる人について、こう書いています。
頭の回転が早く、行動もすばやい人、あらゆる事を、迷うことなくすぐに済ませたいと願う人に。(……)遅いことを、時間を無駄にする悪しきことと考えるため、ゆっくりとした人に我慢するのが非常に難しく、何とか早くさせようと急がします。
『エドワード・バッチ著作集』
バッチはさらに、こうした人は「自分のペースで全てを行えるよう、一人で考え、働くのを好みます」とも書いています。
早く進もうとするうちに、いつのまにか一人で進んでしまう。インパチェンスが「孤独」のグループに置かれているのは、そのためです。
急ぐ心は、それだけ前に進む力を持っているということでもあります。
けれども、その勢いが強くなりすぎると、待つことや、人とともに歩むことが難しくなってしまいます。
インパチェンスは、一瞬一瞬に心を開いて、穏やかに人や状況とかかわれるよう助けてくれるフラワーエッセンスです。
インパチェンス(インペイシェンス)と共鳴する心

【インパチェンス (インペイシェンス)が助けになる人の経験しやすい傾向やパターン】
・衝動的で我慢強さがない。他者のゆっく りとしたペースにいらだつ傾向。「火」の要素が強すぎて緊張やいらいらが生じやすい。
【パターンのなかに内在されている目覚めようとしている性質】
・他者の活動のペースや自分の人生の流れを受け入れ、それと共に歩むことができる。
日常生活で使う
・いつも時間が足りないと感じているときに。
・人のペースが遅く感じられて、「自分でやったほうが早い」と思ってしまうときに。
・子どもや誰かが自分で試して学ぶのを待てず、つい手を出してしまうときに。
・急ぎすぎて、体や心にこわばりやいらだちを感じるときに。
植物としてのインパチェンス
ツリフネソウ科ツリフネソウ属。学名:Impatiens glandulifera、和名:オニツリフネソウ。
インパチェンスは himalayan balsam(ヒマラヤホウセンカ)とも呼ばれる、ヒマラヤ原産の植物です。
水辺や湿地を好む一年草で、急速に成長して背丈は2mほどにもなります。開花期は7〜9月です。
花は上から吊り下げられる形になっています。花の形は独特で、よく観察しないとわかりません。
大きな特徴は、下萼片(かがくへん)が袋状になっていて、その先に距(きょ)——花冠(かかん)の基部が後ろに飛び出たもの——があるところです。ここから蜜が分泌されています。
ホウセンカと同じように、熟した果実にちょっと触れるだけで、種を勢いよくはじきとばします。
この花の属名 Impatiens には、ラテン語で「我慢できない」という意味があります。
日本ではオニツリフネソウと呼ばれ、帰化植物として見られる地域があるようです。
インパチェンスとツリフネソウ
日本に自生しているツリフネソウ属には、ツリフネソウ、キツリフネ、ハガクレツリフネ、エンシュウツリフネがあります。
このなかで、植物のジェスチャー(姿やふるまい)がインパチェンスに近いのは、ツリフネソウ(Impatiens textorii)のように思われます。
どちらも一年草で、春に発芽して一気に成長し、8〜9月に開花します。
インパチェンスはオニツリフネソウと呼ばれるように2mくらいの草丈になりますが、ツリフネソウは80cmほどです。
花はどちらも3個の花弁と3個の萼片から構成されていて、とても複雑な形をしています。
特定のマルハナバチが入っていくのに、ちょうどぴったりの形をした袋状になっているのですが、その部分は花弁ではなく萼片で、先端には距(きょ)と呼ばれる蜜を分泌する部分があります。
ツリフネソウの花のつくり(花弁は5枚だが上下2枚ずつが合着していて3枚に見える)
ツリフネソウ属の属名 Impatiens には「我慢できない」という意味があると書きましたが、日本に自生するキツリフネ(Impatiens noli-tangere)という黄色い花のツリフネソウの小種名 noli-tangere には「私にさわらないで」という意味があり、キツリフネの英語名はそのまま Touch-me-not です。
これらの名前は、熟した果実に少しでも触れると、果実が破裂して種子を弾け飛ばす性質に由来すると言われています。
ツリフネソウ(Impatiens textorii)の花と、果実が弾けるところ@京都府立植物園
同じ「孤独」のカテゴリーのエッセンス
バッチは、インパチェンスをウォーターバイオレット、ヘザーとともに「孤独」のカテゴリーに分類しています。


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インパチェンスとツリフネソウの花の写真




参考文献
・エドワード・バッチ『エドワード・バッチ著作集』
・ジュリアン・バーナード『バッチフラワーレメディー 植物のかたちとはたらき』谷口みよこ訳
・パトリシア・カミンスキ/リチャード・キャッツ『フラワーエッセンス・レパートリー』王由衣訳、BABジャパン、2001
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