自己肯定感に取り組むための一歩目…「どうせ自分なんか」を変えるには

2023年9月1日

1.自己肯定感に取り組むための一歩目

最近、「自己肯定感」という言葉に多くの人の関心が集まっているように思います。関連の書籍を読もうと思って、図書館で検索すると貸し出し中のものが物凄く多い。自己肯定感とか、自己価値とか、自尊心とか・・・自分の存在価値ということが多くの方にとって切実なテーマなのだと思います。このことについて、自分の経験から言えることを書いてみたいと思います。

自分のままの自分の居場所

自分のままの自分の居場所

先日次のようなツイートをしました。

物事がうまくいかない時に「やっぱりまたダメか」「そもそも自分はダメなのかも」「どうせ自分なんか」「これまでやってきたことに意味なんかなかったんじゃ…」と落ち込むことがある人が生きやすくなるには、自分に欠けているものを見つけてそれを埋め合わせることではないと思う。

たとえば無理してポジティブに考えようとしても、そうできないことで余計に自分を追い詰めてしまったりすることもある。目指すところは「自分は自分でいいんだ」という感覚だと思う。それなりに時間はかかるけれども続けていけばそれは誰にでもできるし、年齢も関係ない。

欠けているものを探す前に、ここまでやってきた自分を違うものに変えようとする前に、ここまで生きてきた自分にまず居場所を与えよう。ここまでやってきた自分をまずはねぎらおう。厳しい季節を超えてきたことを当たり前と思わずに、大切な友人にそうするように自分に居場所を与えよう。

「どうせ自分なんか」「これまでやってきたことに意味なんかなかったんじゃ…」という言葉も、何度も厳しい季節を超えてきたからこそ出てくる言葉なのだから。自分に欠けているものではなく、すでに自分が経験してきたことに居場所をつくろう。私独自の物語はそこから生まれてくる。

このツイートは実は僕自身の経験から書いています。自分のことを持ち出して恐縮ですが、自己肯定感の取り組みの一つのケースとして読んでいただけるとうれしいです。結論から言ってしまうと、「どうせ自分なんて」と心の中で呟いてしまうような人が自己肯定感に取り組むための一歩目は、自分のままでいられる居場所を自分自身に与えることだと思います。それをもう少しわかりやすく説明していきたいと思います。

2.自分の存在価値を疑うとき

若いころ僕は比較的自己肯定感が安定して高い方だと思っていました。心理系のチェックリストなんかでもスコアは低くなかったので、そう思っていました。けれど本当はめちゃくちゃ低かったんだということがだんだんわかってきます。最初は心の中で自分にどんな言葉を発しているかということもあまり意識していませんでしが、なんとなくうまくいかないのは自分に何か足りないからだと考えていました。それで自分に欠けているものを探していました。それをつかむことができればうまくいくはずと。けれども、そうではなかった。

そうではなかったというのは、欠けているものがなかったということではなくて、問題はそこではなかったという意味です。問題は、うまくいかないことが自分の存在価値を疑うことにつながっていることでした。うまくいかなかったり、失敗したりすること、イコール、自分に存在価値がないのではないかという思考にはまっていたこと。

3.自分の存在価値を疑うというパターン

僕の場合は、うまくいかないことが自分の存在価値を疑うことにつながっていることに気づかせてくれたのはフラワーエッセンスでした。とくにゲンチアンとマスタードは、「やっぱり自分はダメかもな」と落ち込んでいたときに、あれ、この気持ちは自動的なパターンになっていないかと気づかせてくれたフラワーエッセンスです。

そうです。自動的なパターン。たとえは変かもしれませんが、家に帰るときにいつも歩きなれた同じ道を歩いて帰るみたいな。目的地は家でもどこでもいいんですけど。

とにかく、意識にのぼってこないくらいに当たり前に同じ道を歩くことがあるように、自分の心もうまくいかないことが起こるといつもの「やっぱり自分はダメかもな」という道を自動的に通ってしまう。そういうことが起こっているんじゃないかと。

4.ゲンチアンとマスタード

うまくいかないときに自分を疑って落胆するというのは、まさにバッチのフラワーエッセンスのゲンチアンのパターンです。ゲンチアンはちょっとした後退や困難があると、自分を疑ってしまうようなときに、自分を信頼し続けるのを助けてくれます。それで以前はよくゲンチアンを服用していました。

しかしある時、自分は今起こっていることで落胆していると思っているけど、もっと無意識的な部分がかかわっているのではないかと思って、マスタードを服用したことがあります。マスタードもバッチのフラワーエッセンスの一つですが、ゲンチアンが落胆する理由がわかっているのに対して、マスタードはとくに理由があるわけではないのに突然絶望的な気持ちになるようなときの助けになるフラワーエッセンスです。

マスタードで気づいたことは、やはり自動的に通ってしまう「やっぱり自分はダメかも」という心の溝のようなものがあるなということと、ああ、そういえば子どものこ頃、全世界を敵に回したような気分になったとき、自分を肯定する気持ちを見失って失望したことがあったなという過去の記憶でした。

FESの『フラワーエッセンス・レパートリー』には次のようにあります。

鬱状態になる前の出来事を注意深く振り返ると、あるイメージ、言葉、人、場所などが、無意識の中でこの精神のっ暗闇をもたらす引き金となっているのを見つけることができるだろう。マスタードはこの癒しへの反応をさらに促し、奥深くにある過去の未解決な部分を癒すのを助けてくれる。

「やっぱり自分はダメかも」と思っているとき、「過去の未解決な部分」とつながることが起こっていると、そのときはっきり自覚したのです。

そのころから、自分に足りないものではなくて、すでに自分がもっているものに居場所を与えて、自分の中心に置くことを意識しました。ちょっと途中は端折りますが、その結果、物事がうまくいかないときに考えることは、このやり方はうまくいかなかった。別の方法を試してみよう。答えは必ずあるはずだということです。自分の存在価値とは別のこととして捉えられるようになりました。

マスタードについては次の体験談も参考になるかもしれません。

https://seedsofangelica.net/flower-essence/post23103
https://seedsofangelica.net/flower-essence/post26337

5.思いグセ?

最近「思いグセ」という表現をネットでよく見かけます。うまくいかないときに自分を疑って落胆するというのも思いグセの1つだと考えることもできると思います。そういう心のクセをポジティブに変えていきましょうというアドバイスを見かけますが、そうできる人はそれでいいと思います。

けれども、本当に知りたいのは、そうしようと思ってもできないときにどうすればいいかということだと思います。ポジティブに考えようと思うだけでは、どうしてもそうできない人には何が起こっているのでしょうか。

6.自分の意識していない感情が関係している

ポジティブに考えようとしてもそうできない。自分の意志ではコントロールできないような気持ちは、おそらく自分の意識していない感情が関係していると思われます。そのあたりのことに取り組もうとするときの概念の一つがインナーチャイルドということになりますが、それにはここでは触れずにいきます。

僕の経験ばかり持ち出して申し訳ないですが、「ああ、そういえば子どもの頃、全世界を敵に回したような気分になったとき、自分を肯定する気持ちを見失って失望したことがあったなあ」という記憶を思い出したとき、僕はこう思いました。「そりゃあ、見失うのも無理はなかったし、それを今も解決できないで抱えたままでいるくらいその時の自分にとっては大きなことだった」ということを深い感情を伴って納得したというか、腑に落ちたというか・・・。

とても未熟な反応しかできなかったかもしれませんが、自分らしい反応には違いないし、そこを何とか超えてきてくれたからOKです。受け入れることのできなかった自分に居場所ができる感覚は懐かしく温かい何かに触れたような感覚です。

その後は居場所のできた自分の気持ちがさらに少しずつわかるようになっていきました。そこには失望や無力感とともに激しい怒り、「絶対に思い知らせてやる」とか、「そっちがその気ならこっちは心なんか開いてやるものか」みたいな世界への復讐心といっていいような怒りが一緒にありました。その時の出来事や関わっている人たちを受け入れ難かったこと以上に、一方で大好きな人たちにもっとも激しい復讐心を抱いている自分自身を心に収めきれなかった。その場合できることは、どちらかの自分を心の遠いところに追いやることです。

まとめ・・・自分のままでいられる居場所

物事がうまく運ばないことと自分の存在価値は別々のものです。もし、物事がうまくいかないことと自分の存在価値が結びついているように感じられるときには、大切な友人にそうするように、これまでの自分自身にそのままでいられる居場所を与えてあげるのがいいと思います。自分には何が足りないのだろうと考える前に、自分を変えようとする前に、自分が自分のままでいられる居場所を心の中にも、日常の中にもつくることができるといいと思います。

僕はそうすることによって、過去の自分の一部と和解することができました。受け入れることのできなかった自分に居場所ができる感覚は懐かしくて心がしんから温かくなる感覚です。超個人的な感覚ですが、これは、「いばら姫」の物語ので最後にいばら姫が王子さまのキスによって眠りから目覚め「我に返り、しんから懐かしそうに王子さまを見つめた」ときの気持ちに近いのではと思ったりします。

結果として、物事がうまくいかなかったときに、このやり方はうまくいかなかった。別の方法を試してみよう。答えは必ずあるはずだと考えることができるようになりました。

自己肯定感は、自分が自分のままでいいんだという感覚です。基本的に何かを成し遂げて周囲に認められることで得られる自信とは別に考えるのがいいと思います。すごい自分になることではなく、自分は自分でいいんだという感覚です。そのためには、まず最初に、ここまでやってきた自分に自分のままでいられる居場所を与えることから始めるのがいいと思います。


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