夢に登場するものの象徴について

2023年10月25日

以前に書いた記事「夢を生かす・夢を生きる」で大事なことを書いていなかったので補足です。

大事なことというのは、夢に登場する人や物をどのような象徴として受け取るかは、どのような深層心理学の理論に沿って自分の内面に向き合っていくかを意識しておくこと、です。

僕はユング派の考え方が好きなのでそれを土台にしているわけですが、その場合には基本的なアーキタイプについて、たとえば「影」とか、「アニマ」、「アニムス」・・・とかについて知っておくことと、それらが夢の中に現れるときにどういう形で現れるかというのをいくつか実際の例を知っておくことは、とても助けになると思います。

もちろん、象徴とかはあまり考えないで自分の夢に取り組むこともできます。そのときには、こんなことはあまり考える必要はないんじゃないかと思います。けれども、夢事典的なものを参考にしたりするときには、自分がどんな深層心理学に沿って自分の内面に向き合っていくかを意識していないと、学派がごちゃ混ぜになって、せっかくの夢の生きたイメージが台無しになってしまう危険さえあると思います。

学派による夢の解釈の違いについて河合隼雄先生は次のように書かれています。

 なお、フォッシジとローヴはある患者の夢をフロイト派、ユング派を含む六つの学派の分析家に解釈せしめ、その比較検討をする、という興味深い試みをしている。それを見ると、フロイト派と現存在分析学派とが、いわば両極端であり、他の学派は相当な類似度を示し、特に、先に述べた、夢が心全体の平衡性をとりもどさせる機能をもつ、というユングの説に対して一致を示しているのが印象的である。
フロイト派が先に述べたように、相当に固定的な性象徴理論を重視するのに対して、片方の極である現存在分析学派は、個々の夢の一回限りの個別性を極端に強調するので、夢の内容やテーマによっては、ある程度一般的に考えられる象徴理論をも受け入れないのである。他の学派はその中間に存在しているわけである。(河合隼雄『明恵 夢を生きる』 講談社 1995)

Posted by takahara.daisuke