インナーチャイルドを癒すために大事なこと

2023年10月24日

インナーチャイルドを癒すために大事なこと

インナーチャイルドを癒すために最初に大事なことと、2つの方向性

フラワーエッセンスを使ってインナーチャイルドに取り組むうえで一番最初に大事なことは何でしょうか。そのことについて考えてみたいと思います。この記事は、自分自身の20年以上の取り組みと、フラワーエッセンス療法のセッションでクライエントの方々に継続的に伴走させていただいた経験がもとになっています。

この記事の要点

・インナーチャイルドにとって
何よりも大事なのは、
そのままの自分の居場所があること

・インナーチャイルドを癒す取り組みは、
過去のつらかった経験を違うものに
書き換えようとすることではなく、
心に収めきれなかったものを
収めきれなかったと認め、
受け入れ難かったものを
受け入れ難かったと認めて、
それらをいまの自分が
受け入れていく過程
です。
切り離してきた自分自身との再会の過程です。

・深い癒しの変容は、
意志の力によってではなく、
コントロールしようとする力を緩めて
自分の中の自然の力とつながること、
たましいとでも呼べる自分と
つながること
で起こります。

・インナーチャイルドを癒すための方向性は2つ。
1つは今の自分に影響を与えている、
過去の受け入れ難かった現実や自分自身と
再会していくこと

もう1つはインナーチャイルドに
向き合うことで
自分自身について気づいたこと、
本当に望んでいることを
行動に変えていくこと

居場所をホームベースに
少しずつチャレンジして、
実際に自分は自分のままで大丈夫なんだ
という体験を積み重ねていくこと。

この両方の取り組みが大事だと思います。
そしてどこかの時点で
インナーチャイルドが一番望んでいたものを
他者が手に入れることを
手助けするのもいいと思います。

居場所があること

インナーチャイルドを癒すというと、
イメージワークだったり、
過去の出来事を掘り下げていったり
という方法を思い浮かべる方が
いらっしゃるかもしれませんが、
それだけが取り組みの方法ではありません。

実際フラワーエッセンスのセッションでは、
とくにそのようなワークをしなくても、
日常とは切り離された安全な場の中で、
現実の出来事を対話する中で
自然に子ども時代の記憶や感情が
よみがえることがあります。

あるいは、夢の中で癒しを経験したり、
勇気づけられるメッセージを
受け取ったりすることもあります。

インナーチャイルドにとって
何よりもまず大事なのは、
そのままの自分の居場所がある、
ということ
だと思います。

癒そうとか、
治そうとか、
変えようとする前に、
その自分に「居場所」があること
が大事です。

たとえば、イメージワークで
うまく対話ができないとしても、
そのまま居場所があること。
近づけないとしても、
その距離を保った居場所があること。

大人の私たちはすっかり忘れていますが、
彼や彼女(幼いころの自分)が
そうするのはちゃんとした理由があります。
これまで誰にも言えなかった理由があります。

それをいきなり聞き出そうとしないで、
そのままの居場所をつくって
待つのが大事だと思います。
そうして待っていると、
彼や彼女が自分のままでいてもいい
安全な居場所だと感じれば
話し始めてくれるでしょう。

何かがほどけ始めるのは
自分のままでいることのできる
安全な居場所だとわかったとき
です。

いばら姫の眠りが解けるとき

唐突ですが、グリム童話の「いばら姫
(「眠りの森の美女」)をご存じですか。

呪いをかけられたいばら姫は
茨の垣で囲まれたお城の中で
百年の眠りにつくのですが、
姫を助けようと
生垣を切り開いて
城の中に入ろうとした王子たちは
皆命を落としてしまいます。

けれども百年の歳月が過ぎて
時が満ちたとき、
茨の垣は美しい花に覆われて、
やってきた一人の王子の前で
ひとりでに道を開けます。

その王子さまのキスによって
いばら姫は百年の眠りから覚めます。

この物語は、
すべての人のなかにある、
インナーチャイルドが
「眠らせざるをえなかったものとの再会」
という物語として
読めるのではないか
と思います。

私たちは人格形成のある時点で
受け入れ難い現実に出会い、
それをどうすることもできずに
自分のなかに眠らせてしまった
自分がいるのだと思います。

生きていくために仕方なく
過去に残して私たちは前に進み、
大人になります。

たとえば、子どもだった私たちには、
とても大切にしていたもの、
とても大事にしていたつながり、
気持ちやものの見方や考え方、
独自の世界観
があったと思います。
それが日常を生きるための
ホームベースだったかもしれません。

成長の過程で誰かがその世界に
土足で入ってきたり、
心無い言葉でその世界が
ぺしゃんこにされてしまうような
出来事が起こってしまったときは、
なんとかその季節を
潜り抜けていくしかありません。

その世界と自分を守るために
誰からも理解されない
と感じた世界を封印して、
なんとかそこを通り抜ける
しかありません。

そうして大人になってみると、
苦くて痛い記憶ともつながるその世界に
フルにアクセスすることは
決して簡単ではないものに
なっていることがあります。

私たちのなかには
そのような茨に守られた、
同時に痛い記憶ともつながる大切なものが
眠っているのだと思います。

けれども、私たちは
その世界が自分にとって
とても大切なものだと
どこか深いところで知っています。
それが自分を自分たらしめるような
何かとつながっていることを。

人それぞれタイミングは違いますが、
内面の時計が100年経ったとき
言い換えると、内的な時が満ちたとき
眠らせざるをえなかったものを
目覚めさせることができる
のだと思います。

受け入れ難かった現実や
その現実をどうすることもできなかった自分を、
生きていくために仕方なく
過去に残して前に進んだ私たちは、
時間はかかったけれども
それぞれにピッタリのタイミングで
彼/彼女を迎えに行くことができます。
それが自分自身を癒すことであり、
インナーチャイルドを癒すこと
だと思います。

※いばら姫についての関連記事

⇒ ワイルドローズと「いばら姫」の物語

意志の力によってではなく

いばら姫の物語が示していることは、
私たちの心の深いところには、
茨の生垣に守られて眠る「いばら姫」がいて、
時が満ちるのを待っている
ということだと思います。

この「時」というのは
現実の24時間、365日の時間ではなくて
タイミングです。
すべてのパズルのピースが
ピッタリ揃うときのような、
そういう「時」のこと
だと思います。

そして、いばら姫が眠りから覚めるのは
生垣を無理に切り開こうとするような
意志の力によってではないということです。

そのようなコントロールしようとする力を
超える力(自然の力)とのつながりを
深めることによって、
眠る時間の意味を知る時、
満ちる時を待つことができる
のだと思います。

継続的に個人セッションで
伴走させていただいている方たちに
彼ら自身の夢が希望を示してくれたり、
勇気づけてくれたりしたときに、
そんな力を感じます。

あるいは、心の中で起こっていることと
現実の出来事の意味が
あたかも地下の水脈でつなかっているように
ピッタリと重なる偶然に出会うとき、
そんな力の不思議と畏怖を感じます。

満たされなかったものを他者が満たすことに力を尽くす

単純に言ってしまうことを許されるなら、
私たちは自分(のたましい)が
本当に欲しかったものが
手に入らないとわかったとき、
一番大切だった願いが叶わないとわかったとき、
傷つき絶望するのだと思います。

インナーチャイルドの取り組みが
深い変容をもたらすものになるときには、
そのような絶望の痛みに触れるわけですが、
その
とき初めて本当に欲しかったものや
一番大切だった願いを知ります

そして、どこかの時点で
過去に叶わなかった悲しみを
自分で引き受けて、
自分には満たされなかったものを
誰かが満たすことに
力を注ぐのがいいと思います。

誰かは身近な大切な人でもいいし、
自分の経験が役にたつような
遠い空の下の誰かでもいいし。
自分には叶わなかった願いを
誰かが叶えることを、
自分自身のことに取り組みながら
サポートするという
外向きのチャレンジ

始めていくのがいいと思います。

もし、そのような選択が見えてきたとしたら、
心が深いところで「傷を負った癒し手」の物語に
つながっているのだと思います。

まとめ

インナーチャイルドを癒すために、まず居場所があることが大事です。

私たち心の深いところに眠っているいばら姫(受け入れ難かった現実やその現実をどうすることもできなかった自分)が眠っているとしたら、いばら姫が眠りから覚めるのは意志の力によってではなく、コントロールする力を超える力(自然の力たましい)とのつながりを深めることによってです。

インナーチャイルドを癒すための方向性は2つあります。安全な居場所でそうした力につながりながら、今の自分に影響を与えている、過去の受け入れ難かった現実や自分自身と再会していくこと。一方で、居場所をホームベースに少しずつチャレンジして、実際に自分は自分のままで大丈夫なんだという体験を積み重ねていくこと。この両方の取り組みが大事だと思います。そしてどこかの時点で自分が過去に手にすることのできなかったものを他者が手に入れることを心から応援するチャレンジを始めるのがいいとと思います。


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