2015「チェリープラムに会いに行く」観察会の様子
2015「チェリープラムに会いに行く」観察会の様子
今日は朝から大阪市立大学附属植物園で「チェリープラムに会いに行く」観察会でした。天候にも恵まれ、チェリープラムの花もちょうどタイミングよく咲き始めたところでした。参加者のみなさんがチェリープラムの花の下で静かに集中して観察を続ける姿はいつ見てもいいです。呼吸がゆっくりになって、場が静かになっていきます。自然の声が聞こえてきます。
最寄駅は京阪電鉄の「私市」です。これ「きさいち」と読むんです。どうやって?って感じですが(笑)。駅から歩いて7、8分というところでしょうか。
この植物園にはユーラシア区という区画があって、そこではフラワーレメディー関連の植物を見ることができます。チェリープラム(ミロバランスモモ)、ホーンビーム(セイヨウシデ)、オーク(ヨーロッパナラ)、ホワイトチェスナット(セイヨウトチノキ)があります。そしてエルム(ヨーロッパニレ)の類縁種のヨーロッパハルニレもあります。
チェリープラムは園内の花木園という区画にもあります。ということに前日の夜気がつきました(汗)。そちらはまだあまり開花していませんでした。そこにはホーンビームの類縁種で日本に自生するイヌシデがあって、花が咲いていました。
観察会の前日と観察会の当日に撮影したチェリープラムの写真です。
観察の様子
観察はまず、主観を脇に置いてチェリープラムの大きさや形などを調べ、それを描いたり記録したりするところから始めます。五感をフルにつかって目の前のチェリープラムが現にどうなのかということを丁寧に見ていきます。
花冠の直径は25mmくらい。
花を描いていると、普段の意識とは違った意識になってきます。形をたどったり色を体験したりしているときは、とても集中していていますね。 観察した場所には「虫」がたくさん飛んでいて、けっこう大変だったのですが、そんな虫たちにも負けず作業を続ける参加者のみなさんでした。すごい! 静かに向き合って丁寧に調べたり、描いたりすることを通して、チェリープラムと対話する時間は、同時に自分の深いところと対話する時間でもあるかもしれませんね。続けていると植物や大地と呼吸があってくるような・・・。
どうやって花と対話するか。人間だってそうですが、対話するためには一緒にいる時間をつくらなくちゃいけないですね。そのために相手のところまで出かけて行く必要があります。当たり前のことですね。でもその当たり前のことが一番大事なんじゃないかなあ。なんでもそうですけど、たいてい一番大事なのは一番当たり前の、一番面倒くさいことですね(笑)
花の場合は相手から来てくれることはありませんから、こちらから体を使って出かけて行くしかないですね。そして、人と対話するときと同じように、相手が自分とは違う存在だということを尊重して相手の言葉に耳を傾ける。人間の場合にはついつい相手も自分と同じように思ってくれることを期待して、自分の世界観や価値観のフィルターを通して相手の言葉を聞いてしまいがちです。自分を空っぽにして、・・・そんなことできるかどうかわかりませんが、相手の言葉そのままに耳を傾けるのは本当に難しいし、訓練がいります。
けれども、花の場合には相手が自分とはだいぶん違うので(笑)、同じように考えてくれたり、同じように理解してくれたりという期待は人間のときより少ないと思います。だから謙虚に相手の話す言葉、つまり植物の言葉を学ぶことができます。私たちは、自分の世界を出て、自分の主観的な思い込みを脇に置いて、まず対等な相手として植物の言葉を学ぶ必要があると思います。
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