『思い出のマーニー』とフラワーエッセンス・ホリーのテーマ

2023年10月24日

『思い出のマーニー』とフラワーエッセンス・ホリーのテーマ

※この記事は2015年に『思い出のマーニー』がテレビ放送されたときのものをリライトしたものです。

前置き

今夜はテレビでジブリの
思い出のマーニー』が
放送されるようですね。
僕は河合隼雄先生の
『子どもの本を読む』を読んで
興味をもったことや、
インナーガーデンティアラの堤さんの
「ぜひ読んでみて」という後押しもあって、
この物語を読んで
とても好きになりました。

どんな映像になっているか
楽しみです。

僕がアンナの気持ちで
とても印象に残っていることに
ついて少し書いてみたいのですが、
先入観をもたないで
物語を先に見たい方は
見たあとで読んでください。

物語の始まり

主人公のアンナは
生まれてすぐに両親が離婚し、
再婚した母親は
交通事故で亡くなり、
彼女を引き取った祖母も亡くなり、
施設で生活していたところを
プレストン夫妻に引き取られ
育てられていました。

物語はアンナが
プレストン夫妻のもとをしばらく離れ、
海辺の村、リトル・オーバートンの
老夫婦ペグ夫妻のところへ向かうために
列車に乗り込むところから
始まるのですが、
それまでのアンナについて
こんなふうに
書かれているところがあります。

特別仲のいい学校友だちのいないアンナに、
(アンナはそのことを
別に気にもしていなかったのですが)、
ミセス・プレストンが
スケートや
映画や
動物園や
散歩や
宝探しに
一緒に行きたいという気持ちを
友達に見せなきゃだめ、
と言ったとき
アンナはこう思っていました。

アンナには、はっきりわかっていることがありました。つまり、パーティだの、親友だの、お茶によばれるだのということは、ほかの人たちには、とても大切な、すばらしいことなのです。なぜかというと、ほかの人たちは、みんな、”内側の人” ―なにか、目に見えない魔法の輪の内側にいる人だからです。でもアンナ自身は、その輪の”外側”にいました。だから、そういうことは、アンナとは関係のないことなのでした。じつに、簡単明瞭なことでした。

輪の内と外、フラワーエッセンス・ホリーのテーマ

輪の内と外、フラワーエッセンス・ホリーのテーマ

そんな輪の「外側」にいる
って感じることありませんか?

自分だけ外側にいる
って感じが
急にクローズアップされたりすること、
ありあせんか?

これを読んで僕は、
ホリーのフラワーエッセンスの
テーマを思い出しました。

ホリーのフラワーエッセンスは、自分がまわりから切り離されているように感じられて(疎外感)、嫉妬や妬み、不信感などを感じるときに、心を開いて人を受け入れ、心の奥の温かく神聖な領域でつながり(愛)を感じることができるように助けます。

そんなアンナが
リトル・オーバートンの自然の中で
自由に時間を過ごし、
もう一人の自分ともいうべき
マーニーと出会って
別れる経験を通して

物語の最後では
こんなふうに感じているのです。

雨がひどくなっていました。アンナはびしょぬれになりかかっていましが、ちっとも気になりませんでした。心の中が、ほかほかとあたたかでした。アンナはむきをかえて、”内側”にいるとか、”外側”にいるとかって、ほんとうにふしぎだなと思いながら、堤防の上をかけ出しました。それは、ほかの人がいっしょにいるとかいないとか、一人っ子だとか大家族の一員だとかいうようなこととは関係のないことでした。〔中略〕それは、自分自身の中でどう感じているかによることなのでした。

アンナは、
ひどくなってくる雨の中を、
ほかほかあたたかい心で
駆けながら

(もう、ここがめっちゃ好きです。
雨の中を走りながら
これを感じるところ!)

内側とか外側というのは
「ほかの人が
いっしょにいるとか
いないとか、
一人っ子だとか
大家族の一員だとか
いうようなこととは
関係のないこと」、

「それは、自分自身の中で
どう感じているかに
よること」
なんだと、
全身で
感じるのです。

私たちの心のなかのアンナ?

もちろん、このような変化が
アンナに起こるためには、
相応の内的なプロセスが
あったわけですが、
それがマーニーとの交流に
よってもたらされます。

だから、マーニーとの
交流の物語は、
アンナ自身の内的世界としても
見ることができます。

つまりマーニーは
もう一人のアンナ自身でもあります。

そうした見方をすると
物凄くリアルな
死と再生の物語です。

実際アンナは
溺れて死にそうな目にあいます。

それを助けたのが
ワンタメニーというところが
またまた個人的には
大好きなのですが…、
この辺でやめておきましょう。

映画を見て、
興味をもたれたら、
ぜひ本も読んでみてください。

日本語タイトルは
『思い出のマーニー』ですが、
原題は
When Marnie Was Thereです。

thereってどこでしょうね。
リトル・オーバートン?
湿っち屋敷?
それとも
アンナのこころの中?
・・・
僕らのこころの中?


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