スイートチェスナット(スイートチェストナット)

2023年10月19日

フラワーエッセンス・スイートチェスナット(スイートチェストナット)

スイートチェスナット(スイートチェストナット)
フラワーエッセンスは、
セカンド19の最後のエッセンスであると同時に、
エドワード・バッチがつくった最後(38番目)の
フラワーエッセンスです。

セカンド19は、
私たちが日々の生活の中で
経験する感情や心理状態を
乗り越えていくためのものとして
位置づけられています。

困難や苦悩をたましいの学びに変えて
よりよく生きることを
手助けしてくれます。

エドワード・バッチは、
スイートチェスナットを
「落胆・失望」のカテゴリーに分類し、
次のように解説しています。

耐えられないほどの、とても大きな苦悩を経験している人に。心や体が我慢の限界まで達し、今にもくじけて倒れそうになっている時に。後に残されているのは、完全に敗北し、消えて滅びること以外何もないように見えるときに。

エドワード バッチ『エドワード・バッチ著作集―フラワーレメディーの真髄を探る』  BABジャパン, 2008

このような状態は、
私たちにとって相当に辛い状況であり、
暗闇の中で途方にくれる
経験をしているときです。

人生にはこのような状況が
何度か訪れるかもしれません。
それは大抵これまでの自分の人生が
まったく無意味に思われるような、
自分の土台を根底から揺るがす経験です。

スイートチェスナットは
私たちが途方にくれるとき、
もう打つ手がないと感じるとき、
もう限界だと感じるときに
助けになるフラワーエッセンスです。

暗闇の中で絶望し、
打ちのめされるようなとき、
それまでの自分に別れを告げて、
新しい自分の可能性を生きることで
光を見出すのを助けてくれます。

自分に起こった現実を
受け入れること自体が
極めて難しいようなとき、
私たちは否応なく
内的世界に下りていって、
その出来事の意味を
たましいの視点からとらえなおそうとします。

そこで発せられる問いは
「わたしは何のために生きているのか」とか
「わたしは誰か」といった根源的な問いです。

そのような光の見えない厳しい状況は
たましいが選んでいるとか、
決めてきている
といった説明をする人もいますが、
個人的にはそうした運命論的で
因果的な説明はどうも腑に落ちません。

たましいは何かが起こったときに、
起こってしまったことを
何とか受け入れようと、
たましいの現実にそくして
独自のやり方で
変容の道筋に変えようとする力を
もっている
のだと思います。

エドワード・バッチの言う
「後に残されているのは、
完全に敗北し、
消えて滅びること以外
何もないように見えるとき」
とは、まさに内的な「死」です。

スイートチェスナットのエッセンスは、
内的な「死と再生」の過程
私たちのなかに眠っている
たましいの変容する力を目覚めさせる
フラワーエッセンスの1つです。

スイートチェスナット(スイートチェストナット)と共鳴する心

【 スイートチェスナット(スイートチェストナット)が助けになる人の経験しやすい傾向やパターン】
・深い絶望感と心理的な苦悩。魂の闇夜。

【パターンのなかに内在されている目覚めようとしている性質】
・新しいアイデンティティに自分を委ねる勇気。

日常生活で使う

・途方にくれているとき、もう打つ手がないと感じるとき、もう限界だと感じるとき。

・仕事やストレスで「燃え尽き」てしまいそうなとき。

・忍耐が試されるような状況で、元気を回復したいとき。メンタルなエネルギーを復活したいとき。

・燃え尽きて自分を見失っているとき、自分を取り戻したいとき。

植物としてのスイートチェスナットの特徴

スイートチェスナット(スイートチェストナット)

ブナ科クリ属 学名:Castanea sativa 和名:ヨーロッパグリ

ヨーロッパ南東部から小アジア原産の落葉広葉樹で、樹齢1000年を超え、樹高30m以上、幹の直径は2mに達するものもあります。

温暖な気候と日当たりのよい場所を好み、地中海沿岸、小アジア、北アフリカ一帯で栽培されています。

樹皮には特徴的な渦を巻くような模様があります。葉は楕円形から披針形(*1)で、鋸歯(*2)が顕著です。

雌雄同株(どうしゅ)(*3)で、新枝の葉腋(*4)に花序がつきます。雄花序は尾状花序(*5)となり、その基部に雌花序がつきます。

果実はほぼ完全に総苞(*6)につつまれた堅果で、総苞は刺が顕著で熟すと2~4弁に裂けます。果実は焼き栗、料理や菓子として利用されますが、とくにマロングラッセは有名です。

属名のCastaneaは、ヨーロッパグリに対するラテン古名castaneaに由来します。その古名はThessaliaにある栗で有名な町Castaniaに因んでいます。

日本に自生している近縁種としては、シバグリCastenea crenata(Japanese chestnut)があります。日本のクリを観察することは、花の構造などの理解にはつながりますが、存在感については日本のクリをイメージしてしまうと、実際の植物とはかけ離れたイメージをもってしまうことになりそうです。

シバグリ
シバグリ
クリ:栽培品種・銀寄
クリ:栽培品種・銀寄
クリ:栽培品種・銀寄の雌花と雄花の花序
クリ:栽培品種・銀寄の雌花と雄花の花序
クリ:栽培品種・銀寄の雌花
クリ:栽培品種・銀寄の雌花

—-

*1 平たくて細長く、先のほうがとがり、基部のほうがやや広い形。
*2 植物の葉や花弁の縁にあるぎざぎざの切り込みのこと。
*3 単性花をつける植物で雌花と雄花とを同一の個体につける
*4 葉が茎と接している部分。葉の付け根。
*5 細い円筒状の花の集まりで、花軸に柄のない単性花が密につく。
*6花や花序全体を基部で包む小さいうろこ状の包の集まり。

参考文献

・『園芸植物大事典1』小学館 1988

・『日本の野生植物 木本1』平凡社 1989

・『週刊朝日百科 世界の植物81』朝日新聞社 1975

・・ジュリアン・バーバード/マーティーン・バーナード 『Dr バッチのヒーリングハーブス』スミス マキコ訳 BABジャパン、2003

・Edward Bach, The Twelve Healers and other remedies, CW Daniel Company, 1936

・Jessica Bear, Practical Uses and Applications of the Bach Flower Emotional Remedies, Balancing Essentials Press, 1990

Posted by takahara.daisuke