夢を生かす・夢を生きる

2024年1月16日

夢を生かす・夢を生きる

先日の飛ぶフラワーエッセンス教室SEED-BACH2
「夢」について質問があったのですが、
そのフォローアップもかねて
夢について僕自身がどうしているか
ということを書いてみたいと思います。

これまで河合隼雄先生の著書を読む中で
少しずつ夢との付き合い方を模索しながら、
自分の夢に取り組んできました。

夢の補償的な役割

ユングは、無意識が
自我の一面性に対して
補償的、平衡的なはたらきを
すると考えました。

ですから、夢には
一般的な機能として、
心全体の平衡を回復させる
ようなはたらきがあると。

そう考えると、私たちが
自分の夢のことを理解するには、
そのときの意識の状態がどうであったかが
とても重要になります。

たとえば、追いかけられる夢を見て
怖い思いとしたとしたら、
普段の意識ではどうだろうと
考えてみることになります。

まったく普段は怖さなど
意識してないとしたら、
夢は、怖がっているものがありませんか、
と言っているのかもしれません。

夢だけに注目するのではなく、
普段の意識はどうだったかと併せて
考えてみることが大事です。

夢の多義性

夢の中に登場するものが
何の象徴かとうことは
とても悩ましい問題だと思いますが、
ユングはイメージと象徴を
一対一で結び付けることには
反対しています。

これは何々の象徴です、
みたいなことは
ある程度は言える場合もあるけれども、
通常は、自分にとって
「それでしか表せないものは何だろう」
と考えてみることになります。

そして、それは一つのことだけを
表わしているのではなく、
多重的な意味をもっているのが
夢の素材です。

だから、わかったと思っても
さらに別の意味が
重なっているかもしれない
というわけですね。

そして、わからないときは
わからないままにしておくのが
いいと思います。
後になって、
あっ、そうかと
すごく腑に落ちるタイミングが
やってくることもあります。

夢の物語やテーマがどのように変わっていくか

これは意識の状態との
関連を見ることにもつながりますが、
一つの夢だけに注目しないで、
夢のテーマや物語の展開が
どんなふうに変わっていくかに
注目するといいと思います。

たとえば、何かに追いかけられ
怖くて振り向けない夢を見たとします。
その数日後に、
ライオンに追いかけられる
夢を見たとします。

この2つの夢を比べると
明らかに展開が変わっています。

同じ怖がっているものに
追いかけられる夢ですが、
最初は正体不明の何かだったものが
ライオンという姿を取っています。

そうすると、怖がっていることと
ライオンが表しているものに
ついて考えてみることができます。

夢を味わう

夢を解釈するというより
味わいのがいいと思います。

夢のイメージは
具体的な体験として
とてもリアルです。

そうしたリアルな体験を
物語を読むように
味わってみるのがいいと思います。

夢の中での心の動きや
感情を味わってみたり、
登場する物や人から
連想するものについて考えてみたり…。

昼間の場面で
同じような気持ちや感情を
感じたときのことを思い出して見たり…。

夢の中で体験を深める

たとえば、さっきの例で、
追いかけてくるものが
ライオンになったという夢なら、
次にライオンが追いかけてくる夢を見たら、
できるだけ怖がらずによく見てみようと
意識してみることができます。

夢の内容自体に興味をもって
こうしてみようと
意識してみることができます。

もちろん、意識したからといって
必ずしも夢はその通りには
変わらないかもしれませんが、
実際にライオンが
他のものに変わったり、
さほど追いかけてこなくなったり
といった変化が
生じてくることもあります。

このように、自分を無意識に開いて
夢とつきあっていくのが大事です。

セノイ族は夢を非常に大切にする。朝食の時間に、年長者は幼少の者たちの語る昨夜の夢について耳を傾けて聴いてやる。そしてたとえば、小さい子が、どんどん 落下してゆく夢を見て怖くて目が覚めてしまったなどと語ると、父親は「それは素晴らしい夢を見たものだ。ところで、おまえはどこへ向かって落ちていった? 途中どんな景色を見た?」と聞く。子どもが怖くて何も見ない前に目が覚めてしまったと言うと、それは残念なことなので、次に機会があれば、もっとリラックスしてよく見てくるようにと励ますのである。

河合隼雄、「明恵 夢を生きる』44p

おすすめ書籍

夢をどう扱うかは
深層心理学の学派によって違うので、
それをごちゃまぜにしてしまうと
混乱するばかりということに
なりかねません。

参考に何か本を読むとしたら、
それがどういう学派のものかを
理解しておく必要があります。

夢は人間の心の深いところから
生じてくるイメージといえますが、
たとえば、河合先生の『心理療法入門』の
第1章「イメージと心理療法」には
イメージの特性や、
心理療法の実際の場面で
イメージがどのように
用いられるかといったことが
書かれているので、
夢と取り組んでみようと思う方には
とても参考になると思います。

心理療法入門』河合隼雄 岩波書店

また、『明恵 夢を生きる』の
第1章の2「夢とは何か」にも、
夢の学問的研究の変遷や夢の作用など、
夢について基本的なことが書かれています。

明恵 夢を生きる』河合隼雄 講談社

明恵(みょうえ)は鎌倉時代初期の名僧で、
生涯にわたる膨大な夢の記録を残した人です。

彼は夢の記録を丹念につけているが、その夢は彼の人生の中に重要な位置を占め、覚醒時の生活と見事にまじり合って、ひとつの絵巻を織りなしているのである。彼の生涯は夢と現実とをそれぞれ経糸横糸として織りあげた偉大な織物のようであり、分析心理学者のユングが個性化、あるいは、自己実現の過程と呼んだものの素晴らしい範例であるとさえ感じられる。

河合隼雄

夢はこちら(意識の側)が
どのような気持ちや態度で
取り組むかによって変わります。

フラワーエッセンスによって
夢が活性化することもよくあることです。
興味のある方は、
フラワーエッセンスを摂りながら
夢日記を書いてみることを
試してみてください。


ここまで読んでくださってありがとうございました。もし、何か参考になったり、この記事いいなと思われたら、💛のボタンを押していただけるとうれしいです。

Posted by takahara.daisuke