セルフヒール

2023年12月17日

セルフヒール

フラワーエッセンス・セルフヒール/Self-Heal

フラワーエッセンス・セルフヒール

FESセルフヒールのフラワーエッセンスは、文字通り自分自身を癒す能力を目覚めさせ、自分自身への気づきを促します。健康でいることを外的な基準や人に任せるのではなくて、自分の中の自然の力とつながることで呼び起こします。健康上の大きなチャレンジに直面しているときにも力になってくれるエッセンスです。

ここでは、セルフヒールのフラワーエッセンスがもつ上のような性質が、植物の形態の特徴にどのようににあらわれているかを、近縁種のウツボグサの観察を通して考察したいと思います。

フラワーエッセンス・セルフヒールと共鳴する心

フラワーエッセンス・セルフヒールと共鳴する心

【セルフヒールが助けになる人の経験しやすい傾向やパターン】
・深いところで自分自身を疑う傾向や、人に頼りすぎる傾向のために活力が失われている場合や、自分自身を癒すための大きなチャレンジに直面している場合に。

【パターンのなかに内在されている目覚めようとしている性質】
・文字通り自分自身を癒す能力を目覚めさせ、自分自身への気づきを促します。外的な価値によってではなく内的な衝動と責任によって、自分の健康や癒しに取り組むことができるように。

FESは『フラワーエッセンス・レパートリー』のなかでセルフヒールについて次のように解説しています。

セルフヒールのエッセンスは、エーテル体・肉体と、精神的自己の間に存在するきわめて特別な関係を扱う。物理的レベルでは、エーテル体は文字通り肉体をおおいで包み、傷や病気からの回復を促す。それだけでなく、高い自己もまた、エーテルレベルの生命エネルギーと回復力から支えを受けとることができる。

『フラワーエッセンス・レパートリー』p.365

植物的な力と動物的な力の関係

植物的な力と動物的な力の関係

FESの解説にはエネルギー療法やシュタイナー的な世界観が背景にあり、専門的な用語が使われていてわかりづらい部分があるので、少し乱暴な要約になるかもしれませんが、誤解を恐れずに表現してみたいと思います。

私たちにはたらいている自然の力は、植物的な力と、動物的な力の両方です。植物的な力は命あるものとそうでないもの(生物と無生物)を分ける力で、動物的な力は「内面」に起こってくる欲求や感情やイメージなどを生み出すような力です。この2つの力のつながりとバランスが私たちの健康にとってとても重要です。

この2つの力は動物や人間だけでなく、植物にもはたらいています。植物的な力はとくに植物の葉の領域に、動物的な力はとくに植物の花の領域にはたらいています。したがって、葉から萼、萼から花弁へとどのように変化していくかを調べることによって、その植物に植物的な力と動物的な力がどのようなつながりをもってはたらいているかを知ることができます。

たとえば、セルフヒールのフラワーエッセンスについてFESが「セルフヒールのエッセンスは、エーテル体・肉体と、精神的自己の間に存在するきわめて特別な関係を扱う」と説明している作用は、セルフヒールの葉の領域と花の領域の関係を調べることである程度知ることができるのです。

植物としてのセルフヒールとウツボグサ

植物としてのセルフヒールとウツボグサ

シソ科ウツボグサ属 学名:Prunella vulgaris 和名:セイヨウウツボグサ

日本の里山に自生するウツボグサ(Prunella vulgaris subsp. asiatica)はセルフヒール(セイヨウウツボグサ:Prunella vulgaris)の亜種で、非常に近縁の植物です。

セルフヒールのフラワーエッセンスの性質を理解するうえで、日本人に身近な植物「ウツボグサ」を観察することは、とても有意義です。ここでは、セルフヒールのフラワーエッセンスの性質を植物のジェスチャーから理解するために、ウツボグサの細部を観察してみたいと思います。

ウツボグサの花のつくり

ウツボグサの花のつくり-1

ウツボグサはシソ科ですが、シソ科の花は一般に唇形花(しんけいか)と呼ばれています。それは、根元が筒状で先が唇のように上(上唇)と下(下唇)に分かれているからです。

本当に動物が口を開けたような形をしています。ウツボグサの花の下唇は3つに分かれていて、中央の下唇の縁はギザギザ(鋸歯状)になっています。

ウツボグサの花のつくり-2

花に現れる動物的な力と、茎や葉や咢に現れる植物的な力との関係

花は植物の世界と動物の世界が触れ合うタイミングですが、別の言い方をすると花は植物が動物的な力の影響を受ける領域ということができます。

ウツボグサを観察してみと、花に現れる動物的な力(アストラル性を帯びた力)と、茎や葉や咢がもっている植物的な力との関係が非常にユニークで興味深いことがわかります。それは葉から苞、咢、そして花へのメタモルフォーゼとして表現されています。

次に、それを葉から順番に見ていきましょう。

葉

上の写真でわかるように、葉はきれいに十字に対生します。

葉と苞(葉)の関係

花序の一番下には苞(ほう)、または苞葉(ほうよう)と呼ばれる蕾を包む葉がありますが、苞は葉と同じように十字に対生します(下の写真)。葉から苞への変化は、形自体に飛躍的な変化はありませんが、葉身が短く幅広になってキューピーちゃんの頭(?)のような突起が特徴的になります。

葉と苞(葉)の関係
葉
苞葉
苞葉

花穂の構造を調べる

ウツボグサの花穂を分解して構造を調べます。下から1段目、2段目と数えています。3段目以降は苞(葉)と萼を切り離していません。

観察したウツボグサの花序は全部で下から9段目までは、6組の萼がついていました。10段目、11段目、12段目は萼はなく苞のみでした。

花穂の構造-1
花穂の構造-2

上のように花穂は物凄く規則性のあるリズムをもって構成されています。

下の2つの写真でわかるように、1個の苞の上に3組の萼が乗っています。苞は対生するので、花序の一番下の段の2枚の苞の上には、併せて6組の萼が茎を中心に円状に並びます。

苞と萼の関係(分解したもの)
苞と萼の関係(分解したもの)
苞と萼の関係(分解していないもの)
苞と萼の関係(分解していないもの)

その6組の萼の上には、90度ずれて苞が十字に対生します。そして2段目の苞の上にも併せて6組の萼が並びます。その6組の萼の上に、また90度ずれて苞が十字に対生します・・・と、物凄く規則正しい配列が続きます。

苞と萼の関係-3
苞と萼の関係-3
苞と萼の関係-4
苞と萼の関係-4

ここまで見てきたように、苞(葉)と萼が積み重なってつくり出す花穂の構造は、非常に規則性があって立体的な曼荼羅とでも呼べるような形をしています。つまり、この領域には植物的な力が強くはたらいていることがわかります。

苞と花弁をつなぐ萼の形

苞には葉の形の名残りをはっきりと確認することができ、形自体に飛躍的な変化はありません。[葉と苞(葉)の関係を参照] 一方、花は根元が筒状になった唇形花(しんけいか)で、動物の口を思わせるような形をしています。

平面的な葉と苞の形に対して、花は筒状で複雑な形をしています。花の領域は、植物が動物的な力の影響を受ける領域だといいましたが、ウツボグサの花はまさに動物を思わせるような形状をしていて深い内的な空間を形作っています。

葉や花穂の構造に強くはたらいている植物的な力と、花にはたらいている動物的な力の対比がとても印象的です。

これを、ユリ科の植物と比べてみると、その違いがよくわかります。たとえば、カタクリの場合には葉と萼と花弁の形にこのような大きな変化が見られません。

カタクリの萼片と花弁
カタクリの萼片と花弁

萼から花弁への変化はほとんどないくらいです。(本来は外側の3枚が萼、内側の3枚が花弁ですが、これらは総称して花被片と呼ばれています。)

それに対してウツボグサの花弁は、葉と比べて飛躍的に形を変え内的な空間を形作っています。しかも、そうした動物的な印象を与える花が、植物的な力の影響、つまり規則性とリズムの強くはたらく花穂に配置されます。

その対照的な2つをつなぐのは萼です。ウツボグサの場合、萼は葉や苞葉と花弁をつなぐような中間的な形をしているように見えます。

花弁は根元が筒状になっていますが、萼は上下2枚が合わさって筒をつくっています。この中に蕾ができます。(花が咲き終わった後は出口が閉じられてこの中で守られて子房が成熟します。)

萼

苞では1つだった突起が2枚の萼では2つと3つになります。それが花弁になると、さらに複雑な形へと変化しますが、2つの突起の名残と3つの突起の名残は残っているように見えます。ただし、萼と花弁では引き継がれる形が上下逆になっています。

萼の突起
花弁の突起

まとめ:ウツボグサの葉から花への変容とセルフヒールのフラワーエッセンス

以上、ウツボグサの葉から苞葉、苞葉から萼、萼から花弁への形の変化を観察しました。それによってウツボグサやその近縁種であるセルフヒールには、次のような特徴があることが分かります。

1.植物的な力が強く働いていて、複雑でありながらリズムと規則性をもった立体的な曼荼羅を連想させる花穂を形成する。(苞は十字に対生、萼は1個の苞に3個)

2.植物的な力が強くはたらく花穂に、動物的な印象を与える花弁が規則性をもって配置される

3.植物的な力と動物的な力のつながりが独特の形でバランスを保っている

もう一度、最初の『フラワーエッセンス・レパートリー』の引用文に戻りましょう。

セルフヒールのエッセンスは、エーテル体・肉体と、精神的自己の間に存在するきわめて特別な関係を扱う。物理的レベルでは、エーテル体は文字通り肉体をおおいで包み、傷や病気からの回復を促す。それだけでなく、高い自己もまた、エーテルレベルの生命エネルギーと回復力から支えを受けとることができる。

『フラワーエッセンス・レパートリー』p.365

これまで見てきたように、ウツボグサの葉から花への変容の過程の観察と考察によって、セルフヒールのフラワーエッセンスの作用に対する理解を深めることことができたのではないかと思います。

参考文献

パトリシア・カミンスキ、リチャード・キャッツ 『フラワーエッセンス・レパートリー』 BABジャパン 2001, p.365

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Posted by takahara.daisuke