植物を観察することと内面の旅
フラワーエッセンスの「もの」としての面、「関係」としての面
フラワーエッセンス療法を考えるときに、僕はフラワーエッセンスの「もの」としての面と、「関係」としての面の両方に配慮するのがいいと思っています。
「もの」としての面というのは知識とか情報ですが、それは基本的に因果関係で説明できる面(左脳モード的な面)です。一方で、フラワーエッセンスの「関係」の面は因果的というより共時的な影響が現れてくる面(右脳モード的な面)です。
フラワーエッセンスを通して人の内的な旅をサポートしようとするときには、「もの」としてのフラワーエッセンスだけでなく、自分とフラワーエッセンスの関係、自分と援助しようとする人との関係がカギになります。
フラワーエッセンスとの関係、植物との関係を築く
そう思っているので、フラワーエッセンスとの関係、植物との関係を築くことはプラクティショナーにとって大事な仕事だと考えています。
その方法の一つとして植物観察を行うわけですが、フラワーエッセンスの植物観察はゲーテの対象的思考というのをベースにしています。対象的思考は簡単に言ってしまうとに「自分の世界を出て対象(植物)が自ら語る言葉に耳を傾ける」というやつです。
要するに、対象(植物)を自分の理解の枠にはめ込もうとしないで植物に向き合うことです。自分の主観を脇において、対象(植物)に耳を傾けることです。理解できないことを理解できないままに留めて、自分の論理の枠の中で答えを出そうとしないことです。植物の形や色をスケッチして再現しようとしているときの感覚です。
僕らは目覚めている間のほとんどの時間を、自分に起ってくることをいかに自分の理解の枠に収めて評価し、判断するかということをやっているので、これがどれほど普段の意識の状態と違うかは想像がつくと思います。
目の前の存在と出会うとき
植物を丹念に観察していると、自分がどれほど植物を自分の論理の枠の中に入れて理解しようとしているかということがよくわかります。そして、観察を続けていくと、自分が植物に重ねていた、重ねていたとも思っていなかったイメージや思い込みがハラハラと落ちていく「あっ!そうか!」という瞬間があります。
そのとき、僕らは頭の中の植物ではなくて、目の前の植物にはじめて出会うことができるんでしょうね。それは同時に新しい自分に出会ったような不思議な感覚を伴っています。
このようにして植物との関係を築いていくことは、内的な旅の支えとしても、自分や世界と新しい関係を結んでいく意味でも、とても有意義な方法だと思います。
★関連のお勧めの書籍★
『植物への新しいまなざし』(マーガレット・コフンーン、丹羽敏雄訳、涼風書林)
『リンゴは赤じゃない』山本美芽著 新潮社
『脳の右側で描け』ベティ・エドワーズ著 野中邦子訳
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