フラワーエッセンスと「ネガティブな感情」

2024年6月5日

フラワーエッセンスと「ネガティブな感情」

フラワーエッセンスを服用した時に感じる感情、とくに「ネガティブな感情」と呼ばれているものについて書いてみたいと思います。次の3つを糸口に考えたいと思っていますが、もしかしたら途中で違う流れになるかもしれません。1つ目はジェシカ・ベアー氏が言っていること、2つ目はFESが言っていること、3つ目はそれらを総合して考えてみたことです。

以前FESの研修を受けたとき、リチャード・キャッツ氏は、フラワーエッセンスをつくる経験は服用する経験よりもはるかに深い(何倍も強力な)経験になると、自身がボラージュとジニアのエッセンスをつくったときのことを例に話してくれました。フラワーエッセンスは植物と直接深いかかわりをもつほど深いものになっていきます。

このところ記事に書いている「エルムの物語」や「チェリープラムの物語」で僕が経験したようなちょっとつらい状況は、フラワーエッセンスを服用すると誰にでも起こるかといえば、そんなことはないと思います。起こらないことの方が多いかもしれません。それでも書いているのは、実際の経験をシェアすることが誰かの、何かの役に立つのではないかと思うのです。リサーチのフィードバックを読ませていただいて改めてそう感じました。

個人個人の内的な経験は、普遍的な物語(フラワーエッセンスのテーマ)と個人の意識との相互作用なので、人それぞれ違います。だから、自分の経験を信頼して大事するのが一番いいと思います。そのうえで他の人の経験を聞くと自分の経験をよりよく理解する助けになることがあります。

1. リアクティブレメディについて

ジェシカ・ベアー氏(自然療法医)は自身の臨床経験からフラワーレメディーの中には、一見ネガティブに感じられる反応の出やすいレメディがあることを指摘していて、それらをリアクティブレメディ(Reactive remedies)と名づけています。(*1)

もちろん、すべての人に反応が出るということではありません。他のエッセンスに比べて反応が出やすい傾向があるという意味です。その反応がどのようなものかはそれぞれのエッセンスによって違います。

たとえば、ウォーターヴァイオレットの場合には悲しみを感じて泣くような反応がおこったり、ア グリモニの場合はとにかく話しをしたくなったり、ホリーの場合にはいらだちとか怒りを感じたりするような反応が出やすい傾向があるとジェシカ・ベアー氏は述 べています。(*1)

しかし、彼女は特殊な才能をもった人で、レメディに対する理解や使い方に独特のものがあり、そのまま私たちに当てはめることができるかどうかはよく吟味する必要があると思います。また、必ずしもリアクティブレメディでなくても状況によっては反応が出る場合もあります。

このような反応が出たときには、体と心とたましいのバランスが変化し始めているということですから、この変化をさらに進めるために反応が落ち着くまで頻繁に(5分か ら10分おきに)レメディを服用することをジェシカ・ベアー氏は勧めています(レメディは服用回数を増やすと強く作用します)。ただし、次の日も続くようなら一旦そのレメディの服用をやめて、ゲンチアン(ジェンティアン)かファイブフ ラワーフォーミュラーを1日服用し、また次の日から元のレメディを服用するようにと言っています。

けれども、上記のような対処方法を採用するには注意が必要です。服用頻度を増やして変化を積極的に進めるときには、それをじゃまされない安全な時間と空間が確保できることが大事です。それが確保できないのに、たとえば会社に出勤しないといけないような状況で、反応のあったレメディの服用頻度をむやみに増やすのはよくありません。その場合は逆に服用頻度を下げて変化のペースをスローダウンさせて日常生活に支障のないペースで取り組むことが大事です。

2. 目覚めの危機

日常的なテーマ

フラワーエッセンスを服用し始めると、まず意識と無意識のバランス(体、心、たましいのバランス)が変化し始めます。最初の2、3日眠かったとか、とても鮮明な夢を見たといった経験はありませんか。それが最初の段階ですね。睡眠の質や時間が変化したり、緊張が緩んでリラックスしたり、体が休息を必要としていることを実感したり、活力が回復したり、ときには短期間頭痛などが起こることもあります。意識していないとそれがフラワーエッセンスによるものか、普段の生活の中で起こったことか見分けるのが難しいこともあるかもしれません。

その次の段階は、意識と無意識のバランスの変化によってそれまで無意識だったことが意識され始めるという段階です。つまり自分自身について「気づき」が起こるということですね。これまで無意識だったこと、それも深い無意識ではなくて意識のちょっと下に隠れていた感情や考えが意識されるということが起こりやすくなります。たとえば、セントーリを飲んで「今まで平気と思っていたけど本当は私、いやだったんだー」とかね。ふと、そういうことに気づくことがあります。

そういう気づきによって自分や周りへの見方が変わって、行動や振る舞いが変化していくということにもつながります。「平気」と思っているときには「いやだ」と表現するという選択肢はないわけですが、「いやだ」という自分の気持ちに気づくと、振る舞いの選択肢が増えて、実際に「いやです」と表現することもできるわけです。

こうした変化はあまり意識にのぼらないまま起こることもあるかもしれません。気がついたら落ち着いていたとか、気がついたら楽になっていたということもあります。自分に意識を向ける時間がないほど忙しかったりすると、余計に意識にのぼることは少ないかもしれませんね。普段日常的にフラワーエッセンスを使う場合にはこのようなことが起こっているのだと思います。

生き方にかかわるようなテーマ

どこからが日常的で、どこからが日常的でないかを分ける線など本当のところないわけですが、それでも、人生の局面で何度となく浮上してくるような生き方にかかわるテーマや、ユング心理学でいう「影」が関連してくるようなテーマが絡んでくるときには、ここからさらに先に進むことになると思います。人生でそれまで後回しにしてきたことや、向き合いたくないと思ってきたことに向き合わざるを得ないようなとき、または意識的に向き合おうと決めたときです。

そのようなときに私たちは、それまで受け入れることが難しかった自分自身のある面、たいていは否定してきた面を受け入れることになりますが、そのときに非常に強い葛藤を経験します。もし受け入れてしまえば、それまでの自分の価値観が崩れ去ってしまうような大きな変化であればあるほど、葛藤は強くなるのが自然です。それまでの価値観や世界観はそれまでの自分を支えてきたわけですから、それが崩れるとなると当然「自分の人生は何だったんだろう」という気持ちになるでしょう。

そういうときに私たちが経験する葛藤をFESでは「目覚めの危機」と呼んでいます。(*1) つまり、古い自分(の価値観や世界観)と新しい自分(の価値観や世界観)が激しく葛藤している状態ですね。目覚めの前に訪れる危機。夜明けの前の暗闇。死と再生の局面です。そこを経て新しい自分の再構築が始まり、より創造的な生き方が可能になります。

「ネガティブな感情」

フラワーエッセンスで「ネガティブな感情」というとき、それは悲しみとか怒りとか、感情そのものを指していることも、内面の居心地の悪さを指していることもあると思います。居心地の悪さは葛藤状態で消耗して抑うつ的になったり、無意識を刺激されているけれどもまだはっきり意識されていなくてイライラしたりといった状態も含まれると思います。

ですから、「ネガティブな感情」は日常的なテーマに取り組むときにも、生き方にかかわるようなテーマほど強くではないにしても感じることがあると思います。とくに普段自分が否定的に思っているような感情、たとえばホリー(リアクティブレメディの一つ)を飲んで、嫉妬や疎外感を刺激されるというようなときは、それを否定的に見ていればいるほどいやな感じがするかもしれません。

その居心地の悪さやつらい状況は、感情そのものがネガティブかポジティブかとうことよりも、その感情を自分がどれくらい受け入れがたいか、どれくらい否定的に見ているかということに関連していると思います。

ですから、フラワーエッセンスを使って取り組むときのテーマの順序としては、できるだけ具体的に意識されていて受け入れることがさほど難しくないテーマから始めていくのがいいと思います。花の写真を見て、なんか気になるけどなぜかわからない花よりも素直に好きな花から取り組むのがいいと思います。

フラワーエッセンスの示す方向と選択の自由

このようにフラワーエッセンスの作用の過程を見ていくと、フラワーエッセンスは私たちの体と心とたましいの関係、というか、意識と無意識の関係というか、自我と無意識の関係、普段「自分」と思っている意識と、無意識の関係にはたらきかけていることがわかります。

しかも、普段「自分」と思っている意識の範囲が広がるような方向にはたらきかけるということですね。無意識だった自分に光をあててより自分全体になっていく方向ともいえるかもしれません。heal(癒える)やhealth(健康)という言葉がwhole(全体の、完全な)や、holy(神聖な)という言葉と同じ語源をもつことはよく言われますが、まさにフラワーエッセンスの作用は私たちが自分全体に少しずつ近づいていくこと、全体性を回復しようと内から生じていく変化、つまり癒され成長ていくことを応援してくれます。

フラワーエッセンスの作用は全体性を回復しようと内から生じていく変化の方向を示してくれますが、フラワーエッセンスの示してくれた方向に進むかどうかは使う人の自由です。昨年のフラワーエッセンス・コンファレンスでヒーリングハーブスのジュリアン・バーナードさんは、フラワーエッセンスの作用を信号機の信号に例えて話をされました。フラワーエッセンスは「情報」であって、強制的に何かをさせる力があるわけではないことのたとえとして。たとえば普段私たちは交通標識に従いますが従わないこともできます。

フラワーエッセンスも同じで、使う人に方向を示してくれますが、そっちへ進むかどうかは個人の選択です。私たちの代わりにフラワーエッセンスが進んでくれるわけではありま せん。選んだフラワーエッセンスが示した道をいくかどうかは私たち次第。フラワーエッセンスを服用したときに、ときに遭遇する「ネガティブな 感情」と呼ばれるものについても、フラワーエッセンスの示してくれた方向に進むかどうかを決めるのは自分だという視点で見てみると、少し違った見え方がす るかもしれません。

どこまでがフラワーエッセンスの影響かを確かめる

「ネガティブな感情」と一口にいっても、なんか気分がのらないという程度のものから、忘れていた悲しみなどの強い感情まで人によって状況によってさまざまです。けれども、私たちはどこまでがフラワーエッ センスによるもので、どこからがフラワーエッセンスとは関係なく起こっているのかを分けることができません。 もしかしたら、フラワーエッセンスとは関係なく起こっていることもあるのかもしれません。

もし、服用中にフラワーエッセンスのせいで「ネガ ティブな感情」を感じているんじゃないかと思ったら、ぜひ試してみてほしいことがあります。それは2、3日服用をやめてみることです。フラワーエッセンス の影響ならやめたことで感じ方が変わると思います。もし、変わらなければフラワーエッセンスとは関係なく自分に起こっていることだとわかります。

フラワーエッセンスの影響だとわかったときには、どうするか自分で選べばいいのです。そのまま続けるか、服用回数を減らしてペースをスローダウンして葛藤状態を緩めて続けるか、この道は歩きたくないから別のエッセンスにするか。後は使う人の自由です。

「ネガティブな感情」は本当にネガティブか

それらは本当にネガティブなものなのでしょうか。ここまでカッコ付きで書いたきたのは、僕の中にはずっとそういう疑問があるからです。ネガティブと言いきってしまっていいのか、という疑問です。

もちろん、一時的に少し暗い気持ちになったり、強い感情を感じたりすることは、心地いいものではありません。けれども、その後に訪れる気づき、自分自身につ いての新たな発見は何物にも代えがたい喜びだと思うのです。それは植物観察をしていて新たな発見をしたときの気持ちにとても似ています。

私たちの内面の自然にも、外側の自然と同じように季節があると考えてみるのはどうでしょう。春の前には冬があるし、朝の前には夜があります。枯れてしまったよ うにさえ見えるチェリープラムの枝先に小さな緑の蕾を見つけたら、誰でも「おーっ!」と声が出て胸が高鳴ると思います。フラワーエッセンスを服用して、フ ラワーエッセンスが示してくれた道とこれまでの道との間で葛藤が起こってちょっと暗い気持ちになっているとき、私たちの内面には小さな緑の蕾が準備されつつあります。そのことを信頼していいんだと僕は植物たちとクライエントの方たちから学びました。

フラワーエッセスを服用したときに、ときに遭遇する「ネガティブな感情」と呼ばれるものは、私たちがより自分らしく成長していくときに、より自分全体に近づいていくときに通り抜ける夜なのかもしれません。月明かりに照らされる夜もあれば、星降る夜もあるし、暗い夜もあります。いずれにしろ夜は新しい朝につながっています。

 使う人の意識と無意識の関係

「ネガティブな感情」と呼ばれるものを感じやすいかどうかは、フラワーエッセンスのテーマを自分が受け入れることが容易かどうかに関連しているといいましたが、フラワーエッセンスを使う人の意識と無意識の関係が安定しているかどうかということも大きくかかわってくると思います。

意識と無意識の間にはある程度しっかりした境界があるわけですが、というか、普段「自分」と思っている意識には深い無意識は勝手に入り込んでこないわけですが、その境界が比較的安定している(自我が安定している)場合もあれば、あまり安定していない場合もあります。意識と無意識の境界があいまいであったり、安定していないと、フラワーエッセンスのによって刺激された無意識の内容が過剰に意識に流れ込んだりして過敏な反応になってしまい、「ネガティブな感情」を感じやすくなるということが起こると思います。

無意識に対する態度・・・意識化を助ける

「ネガティブな感情」と呼ばれるもののうちで、それまで受けいれることができなかった感情や考えを受け入れようとして葛藤している状態(無意識の内容が意識に流れ込んで経験される一種の退行状態)の居心地の悪さにを軽くするのに役立つのは、意識化(気づくこと)を助けることです。服用期間中に日記や夢日記をつけることが勧められる理由の一つはそのためです。

たとえば、前の記事であげたセントーリのたとえでいえば、これまで自分のことを後回しにして人のために役に立つことは全然平気と思ってきた人にとって、「本当はいやなのかも」という私は、ちょっと極端にいうと、意識の中には居場所がないわけです。その居場所が意識の中にできるまでの間、つまり「あれ、本当はいやだって言いたいんだ、私」と気づくまでの間が居心地が悪いわけですね。

日記や夢日記をつけること、そこでやっていることは無意識の感情や考えを意識に組み上げることですが、そうすることで無意識的な葛藤の期間の居心地の悪さを軽くしたり、その期間を短くしたりすることができます。フラワーエッセンスの作用に対する私たちの反応は無意識に対してどういう態度をもっているかによっても違ってくるように思います。

フラワーエッセンスの作用に対する反応が使う人の意識と無意識の関係や、無意識に対する態度によって違ってくるというのは、とても興味深いことです。

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*1 :Bear,Jessica “Practical Uses and Applications of the Bach Flower Emotional Remedies”

そのまま日本人の私たちに当てはめることができるかどうかはよく吟味する必要があると思いますし、必ずしもリアクティブレメディでなくても状況によっては反応が出る場合もありますが、次の9つのレメディが挙げられています。

・チェリープラム
・ウォーターヴァイオレット
・アグリモニー
・ホリー
・セントーリ
・ウィロウ
・マスタード
・インパチェンス
・クラブアップル

*2:Patricia Kaminski “Flowers That Heal: How to Use Flower Essences"  Newleaf 1998 48p-51p


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